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コンプラ重視のバラエティ番組で“クズ芸人”が愛され続ける理由

離婚しても愛され続けるワケ

鈴木もぐら氏

「空気階段 鈴木もぐら」公式Twitterアカウントより引用

 先日鈴木もぐらは離婚を発表した。別居状態の妻と、キングオブコントの優勝を機に、再び同居するようになったと言っていたので驚いた。  その発表の直前に、鈴木もぐらが、子供のお年玉や出産祝いを搾取していることを、オズワルドの伊藤俊介がTwitterで暴露した。この一件は、芸人同士のいじり合いであり、離婚の原因とは無関係であろう。しかし、お年玉を鈴木もぐらが懐に入れてしまった事は事実のようである。  離婚は褒められたことではないかもしれないけれど、鈴木もぐらのクズっぷりに触れると心が軽くなる。インターネット社会では、「ちゃんとしていなければならない」プレッシャーが強い。そんな中では、鈴木もぐらのような「クズ芸人のだらしなさ」が、心地良い。

クズ芸人を求める世の中なのかもしれない

 鈴木もぐらの他にも、「クズ芸人」が昨今、もてはやされている。それは、コンプライアンスってがんじがらめになってしまった地上波放送や、「ゴミ拾いを進んでやる日本人」や「マスクをみんなきちんとしている日本人の民度の高さがコロナ蔓延を防いだ」などの、それはそうなのかもしれないけれど、なんだか品行方正を求められるような気持ちになってくる報道に、疲れた反動なのかもしれない。 文/椎名基樹
1968年生まれ。構成作家。『電気グルーヴのオールナイトニッポン』をはじめ『ピエール瀧のしょんないTV』などを担当。週刊SPA!にて読者投稿コーナー『バカはサイレンで泣く』、KAMINOGEにて『自己投影観戦記~できれば強くなりたかった~』を連載中。ツイッター @mo_shiina
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