一流の仕事人の“サボリ術”とは?「働き方」を考えることこそ「サボり」につながる
「常に忙しそうにしているあの人たちも、仕事をサボったりしているのだろうか?」
そんな疑問をもとに、各ジャンルで活躍するクリエイターたちの仕事の裏側と、サボり方をまとめた書籍『よく働き、よくサボる。一流のサボリストの仕事術』(扶桑社)が発売された。一流の仕事人たちの働き方を見てみると、「やっぱりサボってないんだ……」と感じるような場面もなくはないが、共通するのは自分にとって最適な働き方を導き出しているということ。そこで、ストレスなく働く方法を考えたり、効果的な息抜きを取り入れたりするのもひとつのサボりであるという本書から、ユニークな “サボり術”のいくつかを紹介する。
アニメーションディレクター・木下麦 「周囲に流されず、自分に合ったスタイルを大事にする」
仕事がうまく進まなくてもダラダラと引き延ばさず、「アイデアなどで行き詰まって、「これ以上は無駄」と思ったら、僕はさっさと寝るようにしているんですけど、次の日になったらサクッといいアイデアが出たりすることはよくあります」と語るのは、初監督作のアニメ『オッドタクシー』が大きな反響を呼んだアニメーションディレクターの木下麦氏。 睡眠時間を削りながら夜中まで仕事をする人も多いという映像業界に身を置きながらも、「僕は寝ないとダメで。生活リズムがどんどん狂っていくじゃないですか。あれがちょっと苦手なんです。だから、ちゃんと夜は寝て、朝7時ぐらいには起きて、日中に全力で仕事するようにしています」と、木下氏は自分のスタイルを崩さない。周囲に流されず、自分にとってムリなく自然な働き方にこだわったほうが、仕事が効率的にまわるケースもあるようだ。 また息抜きの定番である散歩も、木下氏の場合、「本当に何も考えず歩くんです。ひたすら下を向いて(笑)、音楽も何も聴かず、無の状態で10キロくらい」と、かなり独自のスタイルにたどり着いている。ただ、それもほかの移動方法とは異なる刺激が得られるため、木下氏にとってはインスピレーションをもたらす最適な息抜きになっているのだという。ファッションアドバイザー・MB 「ずっと走り続けるために、無になる時間を作る」
YouTube、書籍、有料メルマガ、オンラインサロン、オリジナルブランド、アパレルとのコラボレーション、講演会、メディア出演など、多岐にわたる活動で「年間ほぼ休みなく活動しています」というファッションアドバイザーのMB氏のサボり術は、「考え抜いた脳を休ませること」。 数少ないサボりの時間は車の運転をしているときで、「ふらっと車で名古屋くらいまで行って、現地でホテルを探す、といったこともやっていました。6時間かけて大阪に行って、特に何をするわけでもなくそのまま帰ってくるとか」というように、純粋に車を運転する時間そのものが気晴らしになっているそうだ。「仕事のことも何も考えず、頭の中を空っぽにするのって、けっこう難しいじゃないですか」と語るMB氏も、車を運転しているときは、何も考えずぼーっとできるという。「今は動くべきときだ」とひたすら走り続けるにも、どこかで無心になる時間を作り、自分をリセットすることが大切なのかもしれない。1
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『よく働き、よくサボる。一流のサボリストの仕事術』 13人のクリエイターが語る、働き方とサボり方 |
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