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ソフトバンク・甲斐、オリックス・宇田川だけじゃない、2023年プロ野球「ネクストブレイク」育成選手5選

②“足でメシが食える”と言わしめた巨人・鈴木大和

 続いては、近年育成ドラフトに力を入れている読売ジャイアンツの’21年育成ドラフト1位で入団した北海学園大学出身の鈴木大和外野手(推定年俸410万円、背番号003)だ。  今年の1軍キャンプに育成選手で唯一招集されると、紅白戦でたった2球のうちに二盗・三盗を成功させるなど、異次元の俊足が自慢の選手だ。50メートルを5.79秒で駆け抜ける圧倒的なスピードはもちろん、投手のクセを盗んだり、配球を読んだりする野球センスも抜群。また、リードやスライディングもうまく、盗塁のスペシャリストになれる逸材として原辰徳監督を含めた首脳陣を驚かせている。  まだまだ非力ゆえ課題はバッティングではあるが、かつて“スーパーカートリオ”の一員として活躍したプロ野球OB・高木豊は「足でメシを食べていける選手。すぐに支配下登録するべき」と太鼓判を押している。現在、外野守備兼走塁コーチを務める通算228盗塁の“代走のスペシャリスト”鈴木尚広を超える“鈴木2世”になる可能性を十分に秘めている。

③強烈な打球を飛ばすスラッガーの巨人・三塚琉生

 もう一人、読売ジャイアンツに育成ドラフト出身でスターになり得る能力を持つ選手がいる。桐生第一高校から’22年育成ドラフト6位で入団した三塚琉生外野手(年俸360万円、背番号031)だ。3年夏の直前で下半身を負傷した影響もあり、支配下ドラフトには漏れてしまったが、「すぐにでも支配下登録を」という関係者やファンの声も多い選手の筆頭だ。  そんな彼の持ち味は、鳴り物入りで入団したドラフト1位ルーキー・浅野翔吾に勝るとも劣らないスイングスピードと飛距離。ややオープンスタンスぎみのフォームから無駄のないフォロースルーで豪快なフルスイングを披露し、ジャイアンツOBでスカウト部長の水野雄仁は「巨人で活躍した吉村禎章さんにそっくり」と打撃技術とスイングの強さを絶賛。対外試合でも鋭い打球の初ヒットをマークし、ますます注目度を上げている。  ディフェンス面でも幅広い守備範囲と安定したスローイング能力を持っており、足りないのは実戦経験くらいだろう。必ずや早いうちの支配下登録を勝ち取ってくれるはずだ。
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苦労人強肩キャッチャー
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テレビドラマとお笑い、野球をこよなく愛するアラサーライター。

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