中年社員が「ずっと若手の仕事に縛られる」問題。人手不足の現場で多発
note作家の猫山課長と申します。金融機関で課長をしながら、ネットでは働き方やキャリアに関する執筆活動を行い、ありがたいことにSNSなどで多くの反響をいただいています。
金融機関だけではないと思いますが、近年は若手社員の離職が増加してきたように感じます。それを危惧してか、十六フィナンシャルグループでは2023年度から35歳でも部長になることができる人事制度を導入するなど、若手への配慮を前面に押し出しています。
このような施策が効果を発揮するかはわかりませんが、どちらにせよ全体的に若手は減っていきます。そうなると、中年はいつまでも「若手の仕事」をすることになるかもしれません。
総務省統計局が公表している「労働力調査(基本集計)2022年平均結果の要約」によると、2012年と2022年を比較して25〜34歳の就業者数は約82万人減少しています。
一方、45〜54歳は同比較で336万人増加していることから、日本の会社において中年の比率は確実に高まってきています。たいていの会社では、若手社員とベテラン中年社員との役割は違うのが普通です。若手は成長過程にありますから、実働部隊として体力にものをいわせて働く傾向にあるでしょう。ベテラン中年社員は、係長や課長などの肩書きが付き、マネジメントの仕事が増えてきます。そこでは体力よりも知識・経験が重要になります。
年齢によって業務内容が違うのは当然の話です。しかし、若手はどんどん少なくなり、中年はどんどん増えていくとすれば、マネジメントを行う管理職ばかり増えてしまいます。実働部隊がいなければ企業は業績を上げることはできませんので、一定の人員は確保したい。一方で、管理職はそれほど必要ではないでしょう。
となれば答えは一つ。中年がどんどん現場に降りていくしかありません。というか、降ろされることになる。
管理職クラスの年齢であっても現場を駆けずり回らなければならない。それはもう現実になっています。私の会社でも支店長・課長クラスが数多くいますが、営業に回る人が出てきました。また、管理職が数多く滞留しているため、これまでであれば管理職になっているはずの年代が昇進できず、現場にい続ける事態も起こっています。
中年は、過酷な現場仕事からどんどん逃げられなくなってきているのです。
中年社員がどんどん現場に「降ろされる」未来
会社から「最前線で仕事をしろ」と命令されてからでは遅い
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金融機関勤務の現役課長、46歳。本業に勤しみながら「半径5mの見え方を変えるnote作家」として執筆活動を行い、SNSで人気に。所属先金融機関では社員初の副業許可をとりつけ、不動産投資の会社も経営している。noteの投稿以外に音声プラットフォーム「voicy」でも配信を開始。初著書『銀行マンの凄すぎる掟 ―クソ環境サバイバル術』が発売中。Xアカウント (@nekoyamamanager)
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