更新日:2023年04月10日 19:09
仕事

中年社員が「ずっと若手の仕事に縛られる」問題。人手不足の現場で多発

生き残り策は現場力を維持すること

 管理職は狭き門となり、現場で価値を発揮し続けなければならない。若手に混じって競争するわけですから肉体的にも精神的にもキツそうです。「そんなのゴメンだ」と叫んでも、どこへ転職しても同じような状況である可能性が高いでしょう。これは国家レベルの構造的問題であり、個人では如何ともし難い状況です。  であれば、さっさと現実を受け入れて、対策を講じていくほうが建設的ではないでしょうか。これからの中年は「現場力」を維持することが大切です。いつでも現場に戻り、実績を上げられる状態にしておくことで生き残りの道を確保すべきです。  管理職になると営業や現場の仕事から離れ、管理業務ばかりするようになり、スキルの陳腐化を招いてしまいます。それでは自分の価値がどんどん低下するばかりでしょう。  あなたが会社からいきなり「最前線で仕事をしろ」と命令されてから、数年分の遅れを取り戻すのは極めて困難です。仕事のできない中年に居場所などありませんから、会社での居心地はどんどん悪くなるでしょう。  若手からも「使えないオッサンw」とレッテルを貼られ、生ゴミ扱いされる。あなたはそれに耐えられるでしょうか?

「管理職ができます」では転職できない

 会社は不足し続けていく若手の仕事の穴を埋めなければなりません。そのとき、あなたが管理職として有能であろうがなかろうが、穴埋め要因として指名される可能性はあります。これまでの管理職としてのイメージに浸っているのは大変に危険です。いつ現場に出ても通用するように自己研鑽を続ける必要があります。  そして、中年になってなお衰えず磨き上げられている「現場力」は、転職の際にも大きな力になります。転職の際に「何ができますか?」と聞かれて「管理職ができます」ではどこも雇ってくれません。  具体的に語れる直近の営業実績や人脈は、あなたの価値を定量的に表してくれます。リスク管理として、また転職の武器としても、現場力は今後重要になるかもしれません。  会社員であっても、管理職をあえて選ばず、プレイヤーとして現場力を伸ばし続ける道を選ぶ。それにより、人生のリスクを下げていく。  これまでの出世の常識を覆すような選択が、あなたが生ゴミ化することを防いでくれるのかもしれません。
金融機関勤務の現役課長、46歳。本業に勤しみながら「半径5mの見え方を変えるnote作家」として執筆活動を行い、SNSで人気に。所属先金融機関では社員初の副業許可をとりつけ、不動産投資の会社も経営している。noteの投稿以外に音声プラットフォーム「voicy」でも配信を開始。初著書『銀行マンの凄すぎる掟 ―クソ環境サバイバル術』が発売中。Xアカウント (@nekoyamamanager
1
2
おすすめ記事
ハッシュタグ