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「痴漢・盗撮を撲滅したい」“パトロール系YouTuber”の主張を聞く

暴力沙汰になったことはない

ガッツch痴漢や盗撮の生々しさと加害者とのやりとりは、いつ暴力沙汰になってもおかしくないような緊迫感がある。実際視聴者からも心配の声は多いそうで、これまで実際に危険な目に遭遇したことはないのか尋ねると、「これまでそういったことはありません」とのこと。 さらに、視聴者からのコメントには、撮影して公開することで、逆恨みを心配する声もあるというが、「そもそも、痴漢や盗撮は隠れてやる犯罪なので、撮影されたことを逆恨みされても表立って攻撃してくることはないと思っています」と頼もしい一言。 また、今後の犯罪抑止のためにも、モザイクをかけずに加害者の顔を晒すべきという声もある。その点について、中島氏はどのように考えているのか。 「私がこのチャンネルで達成したいのは、先ほどお話ししたビジョンですので、顔を晒すような私刑とは一線を引いています。」

パトロールに効果はあるのか?

駅や電車でパトロールする活動を続けてきて、犯罪抑止の効果は感じているのか。中島氏は次のように話す。 「私がよく撮影をする駅や路線では減っていると思いますが、他の路線に移っただけかもしれませんし、残念ながら総数は変わらないのではないでしょうか」 1人での活動で抑止するには限度があり、周囲の多くの目が欠かせない。しかし、中島氏が犯行の予兆を察知したり、鉄道警察が挙動不審の人物をマークするといったテレビで見かけるような場面は、経験に裏付けされた嗅覚の賜物で、一般には難しいようにも感じるが。 「そんなことはないんですよ。気にして人の動きを見ていると、『物色行為』といわれる加害者がターゲットを探す動きは、誰でもわりとすぐに気づけます」 確かに私たちは「移動」という目的があるため、駅や電車で他人を観察するようなことはほとんどない。この無関心が犯行をしやすくしているとも言える。わずかな時間でも意識すれば、犯罪抑止に繋がるかもしれないということだ。
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声かけでも犯罪が抑止できる
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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