HKT48で過ごした約10年を振り返り、矢吹奈子は笑顔を見せた。4月1日、パシフィコ横浜でおこなわれた卒業コンサートには4000人のファンが集まり、彼女のアイドル史が詰まった全27曲のセットリストに声出しの声援を届けた。
オープニングは、矢吹センターのラスト曲「君はもっとできる」からスタート。続けて、「ビーサンはなぜなくなるのか?」「突然 Do love me!」、そして矢吹が加入直後にセンターに抜擢された「ウインクは3回」を全力パフォーマンス。歌唱後に客席を見渡しながら、矢吹は「今日はひとりひとりの顔を覚えて帰りたいなと思います!」と意気込みを語った。
ユニットパートでは、同期でファンから“なこみく”の愛称で呼ばれていた相棒・田中美久と「生意気リップス」を披露。この楽曲は二人が12歳のときにコンサートで初披露。後輩メンバーが当時のやりとりをステージで再現してから、21歳になったなこみくが登場するというエモい演出にファンも盛り上がりをみせた。終盤には、卒業生の兒玉遥・田島芽瑠・朝長美桜・村重杏奈らがサプライズで登場。さらに日韓合同グループ「IZ*ONE」で一緒に活動した宮脇咲良からもお祝いのメッセージが流れると会場から歓声があがった。
“奈子スマイル”という代名詞があるほど笑顔が魅力的な彼女。だが、10年のアイドル人生でツラい時期もあった。卒業前におこなわれたSPA!のインタビューでは「自分が好きじゃなかった」と、反抗期があったことを明かしてくれた。「当時は握手会でファンの方に何かをリクエストされても冷たく断っていたり、本当に子供だったなと思います。それでいつの間にかレーンに並んでくれるファンの方も少なくなってしまって、泣いて悩んだ時期もありました」。
そんな苦悩や葛藤に正面から向き合い、1番寄り添っていたのは指原莉乃だ。もともとはファンとして握手会に通っていた矢吹に指原がオーディションを薦めたことが、アイドルの一歩目となった。指原がステージに登場すると特別な雰囲気が流れる。選んだのは、乃木坂46の『君の名は希望』だ。本来は、指原の卒業コンサートで披露したかったという楽曲だという。涙声の2人が抱き合う姿を見つめながら、涙するファンが多かった。