EDの根治は可能なのか? 最新機器を扱うクリニックに“男の本音”をぶつけてみた
最近、自分のムスコに元気がないのが気がかりの記者A(44歳)。お酒を飲んで意気揚々と向かった夜のお店では終始なりを潜め、「こんな日もあるよ」などと嬢になぐさめられる始末。最後に朝勃ちしたのがいつか思い出せない有様だ。セックスフルな毎日を送っているわけではないが、いついかなる時にも臨戦体制に入れるようにしときたいもの。そんな折、最新機器を使ったED治療を行なっているクリニックがあるとのウワサを聞きつけ、ワラにもすがる思いでカウンセリングを受けてみた。
――そもそもEDってどんな状態なんですか? まがりなりにも勃起はするけど、最後までイケないことが多くて…。
Dクリニック新宿・小山太郎院長(以下、小山院長):EDは勃起不全ともいいますが、定義としては、性交をするために十分な勃起が得られない、または十分な勃起を維持できない(勃起をしても中折れする)状態です。勃起の仕組みですが、性的興奮により神経を介して陰茎に一酸化窒素が産生されます。一酸化窒素の増加によって陰茎の血管のサイクリックGMPが増加し、このサイクリックGMPが陰茎の血管を拡張させ、血液の流入、充満により勃起が起こります。加齢に伴う陰茎の血管の老化、拡張低下によってEDが進行します。
――血管の老化…その老化した血管の働きを助けてくれるのがバイアグラなどのED治療薬なんですね。
小山院長:はい。勃起に必要な血管を広げる働きをサイリックGMPが担っているとお話ししました。サイリックGMPはPDE5という酵素によって分解されてしまうのですが、PDE5の働きを抑えることでサイクリックGMPの働きを高めて勃起を改善させるのがED治療薬です。性交前に服用することで、ED症状が改善します。ただ、ED治療薬というのはEDを根治させるものではなく、あくまで対症療法ですので、老化した血管を若返らせる――というような効果は期待できません。
――僕のように、「EDというわけではないけどうまくいかない日が増えてきた」って程度のED予備軍にとって、薬に頼らず、自力で勃ち続けられる男でありたいという願望があって…。個人差があるとは思うんですけど、EDになりやすい人、なりにくい人っているんですか。例えば一晩で3発も4発もこなせる絶倫の人がEDになるイメージってなかなかわかないんですけど。
小山院長:勃起の機会が少ないのと、多いのとでは、後者の方がEDになりづらいはずです。日ごろの運動やストレッチで筋肉や腱の衰え、機能の低下を防げるように、性的興奮を覚える→サイリックGMPが増える→陰茎の血管が広がって勃起する、という一連のサイクルによって、陰茎の血管の老化を予防しEDの発症を遅らすことができると考えます。車もエンジンをかけないで放置しているとダメになっちゃいますから。
――どんな名刀も錆びてしまっては使い物にならないってことですね。あと、勃起力を増す食事や運動という話もあると思いますが、これは本当に効果があるものでしょうか。
小山院長:EDを予防する、血管の老化を防ぐという意味では一定の効果があると思います。血管の老化を進めてしまう、高血圧、糖尿病、高脂血症、こういった病気にならないような生活習慣を心がけてみると良いです。運動はこういった病気の予防に重要です。男性の場合、運動によって男性ホルモン、テストステロンが上昇することも血管老化の予防、ED予防にプラスに働きます。食事はバランスよく、につきます。ニンニクやニラ、肉などで男性ホルモンが上昇すると報告されていますので、男性にはお勧めです。
EDの正体は“血管の老化”だった
勃起力アップの運動、食事の効果は?
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