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“失踪した妻”がカルト宗教の信者に…。夫が教団に潜入した結果<漫画>

宗教に限らず“団体”は怖い

──それにしても、信者の方々の描写がリアルでした。 服部:これは宗教に限らずですが、“団体”って怖くないですか? 企業で言うと、朝のモーニングルーティングで隣の人を褒めるとか。そこに、なんか違和感があるんですよ。どうしても人が集まると気持ちが強くなるので、その感情を表現しているというか。何より、私が宗教を作るとしたらこうするだろうなって(笑)。 ──教祖の立場で考えておられるのですね(笑)。服部さんご自身は、もともと宗教に関心は持っていたのですか? 服部:それほど特別な感じはなかったです。単純に、宗教が持つ本質にも通じるかもしれませんが、良いとされているモノが本当に良いモノなのかと疑問を持つことや、ポジティブなことをしようという団体が凶行に走ってしまう部分を描こうと。だから私自身は、宗教に入っている人と接しても「そうなんだ」っていうぐらいですよ。

抗議は「一切ない」

──フラットな視点で宗教を描かれていると。とはいえ、読む人によっては「宗教=悪」というイメージを植え付ける内容として捉える方もいるかもしれません。そうした抗議などは? 服部:一切ありません。ある部分では、そうした宗教の悪い面を描いているように見えるかもしれませんが……。私としては、そんなメッセージや意図はないですよ。ただ、宗教は救いになることもあるし、逆に大変な事態になることもあると思うので、そこを自分で判断してほしいとは思います。 ──作者としては、シンプルにエンタメ作品として楽しんでほしいということですね。 服部:これから色々な謎の伏線が回収されていくところや、スリラーでもあるので怖がってほしいと思います。それだけで十分ですね。 =====  宗教ではなく、人に対する違和感や面白さを普遍的に描いているという本作。だからこそ、多くの読者を惹き付け、続々とファンを増やし続けているのだろう。今後の展開にも目が離せない。 <取材・文/橋本未来>
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主に関西圏で広告関係やマガジン系の仕事をしながら、映像の企画・構成なども手掛ける。芸人さんやちょっと変わった経営者さんなどの話を聞くのがライフワーク Twitter:@h_mirai1987
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