必要な睡眠時間は個体差があり人によって違いますが、7時間くらいが目安です。日中眠気が強かったり、休日に遅くまで寝てしまう、という状態は睡眠不足の状態と考えられます。忙しい、やることが多くて時間がない、そんな時ほど、睡眠時間はしっかり確保しましょう。
眠る場所や姿勢が睡眠の質を左右します。日中座っていても立っていても、体は重力の影響を受けています。背骨も椎間板も筋肉も、体を支えて働きます。
姿勢科学的におすすめの睡眠姿勢は、あお向け寝です。あお向けに寝て休むことは、背骨や椎間板や筋肉を重力の影響から解放させることになります。寝返りをうてる広さ、寝た時に腰が沈まないような硬さの寝床で、筋肉をしっかりのばして眠ってください。
「座りすぎ」、「動かない」、「眠らない」、3つのやめるべき行動についてご紹介しました。
実はこれらは姿勢を悪くしないために知っておくべき行動習慣でもあります。悪い姿勢で背骨の中の椎間孔という神経の通り道が狭まると、自律神経の働きに影響を与えることがあります。「頭が重い」「イライラする」「体がだるい」「よく眠れない」など、病気じゃないけど何となく調子が悪いという状態は、悪い姿勢による自律神経の不調で生じることも多いのです。
もしあなたに当てはまることがあったら、できることからほんの少しでも取り入れて、不調知らずのいい姿勢を目指してくださいね!
<文/道野恵美子>
【参考】
井元雄一Ph.D./近藤千弥子M.S.『姿勢が子どもの未来を変える! いま、子どもの姿勢が危ない?!』(セルバ出版)
WHO『身体活動・座位行動ガイドライン2020』
京都府立医科大学 日本多施設共同コーホート研究事務局『座っている時間が長いほど死亡リスクが増加する。その効果は、余暇時間の運動活動量を増やしても、完全に抑制されない』
Effect of Underlying Cardiometabolic Diseases on the Association Between
Sedentary Time and All‐Cause Mortality in a Large Japanese Population: A Cohort
Analysis Based on the J‐MICC Study (Journal of the American Heart Association, 2021)
スポーツ庁 DEPORTARE『「運動強度(METs)」で見る、効果的な身体活動は?』
国立健康・栄養研究所 改訂版 『身体活動のメッツ(METs)表』