「エアコンを売る人と、電気工事する人と、家の図面を引く人がみんな別業種という点を認識しておいてください。エアコンの取り付けは本来、本体の位置やサイズ、コンセントの向きだけでなく、カーテンとの干渉具合や室外機の場所まで考慮しなければならない。しかし、現実は、中途半端な位置にエアコンが付き、配線やコンセントもバラバラ、室外機の取り付け位置まで失敗してエアコンの利きまで悪くなるというケースが頻繁に起きています」 ユーザー側もきちんと指摘できる知識を持つべきだろう。 「新築される方であれば、図面にきちんとエアコンが反映されているか、確認してください。室外機はどこに置くのか設計士に聞きましょう。『え、こんなところにダクトを通すの？』といっためちゃくちゃな設計は普通に存在します。室外機の置き方、2階から出す配管の扱いだけで、家の見た目が変わってしまうので、エアコンと簡単にいっても、チェックすべきポイントはたくさんあります」 プロに注文したから安心、という考え方はもはや通用しない時代なのである。 取材・文／ツクイヨシヒサ （おしむらともや）スタイラス所属。20代で建築、都市計画、インテリア、暮らしについてカナダ、アメリカで学び、輸入住宅などを手掛けるも挫折、住宅とは何かを見失う。大手ハウスメーカーや大手デベロッパーにコンサルティングして感じた「業界の嘘」と「都合の良い慣習」に納得できず、悪しき慣習にまみれた日本の住宅づくりからの逸脱が始まり、住宅業界の異端児となり、1000棟以上の建築設計を手掛ける。2022年7月にYoutubeチャンネル『ジュータクギャング』を開設。近著『美しい家のつくりかた』