更新日:2023年06月06日 00:06
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梅毒に感染したらどうなるのか…「後悔した選択」を“感染者”が告白

どんどん惨めな気持ちになっていった

梅毒の症状は人によって様々だ。陰部のしこり、手足をはじめ全身の湿疹、発熱や倦怠感や頭痛を発症する例もある。症状がほとんどなくても、体内では感染が進行し臓器や骨に腫瘍をつくることも。その腫瘍は、周辺の細胞を壊すため、過去には顔に腫瘍ができて、鼻が欠損した例もあるという。 Kさんの症状は酷くなかったものの、他の性病に比べて治療期間が長いことで精神的な辛さもあったと話す。 「僕の場合、治るまでに2か月近くかかりました。その間はずっと、局部に薬を1日数回塗り続けないといけないので、どんどん惨めな気持ちになってきます」 他者へ感染させないために、治療中は性行為ができないが、Kさんは自慰行為さえしなかったという。 「おじいさん先生に、局部を毎週グリグリされて、毎日何回も自分で薬を塗っていると、もう気分も沈みきってしまって自慰行為はしたくもなりませんでしたね」

彼女には梅毒感染を「言えなかった」

また、治療期間が長いことで生活も制約されることが予想される。具体的にどういった行動が制約されたのか、Kさんに聞いた。 「もちろんセックスはできませんし、大好きな銭湯も行けなくなりました。また、そういうタイミングで友人にプールにも誘われたんですが、それも断るしかなくて」 梅毒は風呂のお湯を通して感染することはないが、「接触感染」するため椅子やタオルなどで感染を広げてしまう可能性はゼロではない。Kさんは幸いにも一人暮らしだったが、家族などの同居人がいる場合、感染中は自宅での入浴でも気をつけなくてならないということになる。 さらにKさんには当時、付き合っていた女性がいた。幸い感染はしなかったというが、それでも「自分が梅毒に感染したことは言えなかったので、治るまでの2か月は、色々と嘘もついてセックスをする流れにならないようにしました。惨めだし彼女にも申し訳ないし……」という辛さも語った。
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病院選びには注意が必要
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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