1年目から“手取り月28万”…「余程のことがない限り入隊できる」海上自衛隊の世界
6月14日、岐阜市の陸上自衛隊射撃場で起きた小銃発砲事件。隊員3人が死傷し、現行犯逮捕された自衛官候補生の動機に関する憶測が報じられた。
特殊な環境ゆえ、自衛隊員が何を考え、どのような思いで日々の業務にあたっているのか気になるところではある。
そこで今回は、元海上自衛隊員の上田さん(仮名・32歳)に入隊の経緯や職場としての働きやすさ、自衛隊という組織に対する現在の印象などを聞いた。
上田さんは喫茶店経営やIT企業のカスタマーサポートの仕事を経験し、その後に働いていた出版社を退職。2019年秋に28歳で海上自衛隊に入隊し、任期制自衛官として横須賀の部隊に約3年間配属されていた。
「わりと動機は衝動的というか、勢いで入隊しました。小林よしのりさんの本などに触発されていた頃に、ちょうど自衛隊の採用上限年齢が(27歳未満から)33歳未満に引き上げられ、自分の中で義務感みたいなものが湧いてきたという感じです。自衛隊には『春入隊』と『秋入隊』があり、僕のように9月に入隊する秋入隊者は年間の入隊者のうち3割ほど。新卒の若者が多い春入隊に比べ、秋入隊には30歳以上の割合も比較的高いと言われています」
40人の同期のうち30代は上田さんを含めて4人。教育隊には陸上自衛隊や配管工の仕事をしていた人、大学院で研究していた経歴を持つ人も入隊していたという。そもそも自衛官候補生が教育訓練を経て任命される任期制自衛官とは、どういった採用形態なのか?
「約3年の満期まで務めると満期金がもらえて、続けたい人は2年ごとに任期を更新していくというもので、契約社員みたいなイメージですね。入隊試験では中学・高校レベルの学科試験と身体検査があり、入隊前に国籍や家族関係も調べられました。身長・体重など応募資格さえ満たしていれば、余程のことがない限り入隊自体はできると思います」
採用上限が引き上げられたタイミングで入隊を決意
余程のことがない限り入隊できる
1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii
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