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1日300杯売った「ビールの売り子」が“人気の売り子に共通している5つの特徴”を語る

③押し売りが上手い

ビールの売り子 佐々木さんは続けて「売り子の営業力」について解説。手を挙げて元気な声を出し、不特定に買い手を探す売り子はイメージできるが、売れっ子の売り子はお客さん個々に営業を仕掛けているようだ。 「やっぱり可愛い子から『ビールどうですか?』と直接話しかけられると、すでに酔っ払っている男性は買いたくなってしまうわけですよ。だから押し売りが上手い売り子も強いですね。不特定のお客さんに向かって『ビールいかがですか〜』と声を出して買ってくれたお客さんより、個々に声をかけて買ってくれたお客さんの方が顧客になってくれる可能性が高いです。仮に声をかけて売れなかったとしても、そのリアクションを見て『この人は完全に買ってくれないな』と判断できれば、その人の近くに行く必要がなくなるので、頭の中で“より効率良く売れるルート”を作ることができる。ようするに、個々のお客さんに積極的に声をかけることは、たとえ売れなくてもメリットがあるわけです」

④顧客を見つけるセンス

 また、前回の記事でも紹介したように、“お客さんを見るセンス”も売れっ子になるに必要な力だという。 「顧客を上手く獲得できる売り子は、お客さんを見るセンスがあります。例えば、試合開始前にチケットを片手に階段を降りてきた人を見つけたら、その人が着席したら1杯売るチャンスなんですよ。でもそれが家族連れなら売れないし、売れたとしても奥さんと子供がいるお父さんに一杯売ったところで次に繋がらない。それが西武ドームのような駐車場も広い球場の場合は車で来ている可能性もあるので、なおさら売れにくいですよね。つまり、人を見るセンスというか、“売り子としての視力が良さ”が必要なんです。そのセンスがある売り子は、リピーターになる可能性の高いサラリーマンや富裕層のお客さんを瞬時に見つけ、上手いこと顧客を掴むことができます」
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売れやすいエリアに配置されるには…
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Web編集者兼ライター。フリーライター・動画編集者を経て、現在は日刊SPA!編集・インタビュー記事の執筆を中心に活動中。全国各地の取材に出向くフットワークの軽さがセールスポイント
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