仕事

1日300杯売った「ビールの売り子」が“人気の売り子に共通している5つの特徴”を語る

⑤チェッカーに気に入られている

ビールの売り子 佐々木さんによると、球場内には売り子を支える「チェッカー」という役割の人も働いているという。チェッカーとは、裏でビールの樽を交換する役割の人と、客席の近くで売り子に指示を出す人のこと。東京ドームの場合、樽交換は男性のアルバイト、売り子に指示を出すのは売り子経験者の女性が担当することが多いようだ。  この元売り子経験者のチェッカーが売り子たちの各担当エリアを決めるため、チェッカーと良好な関係を築くことも大切だという。 「売り子としては外野席やバックネット裏など、売れやすいエリアに配置してもらった方がもちろん有利です。ちなみに東京ドームの場合、売り場はガッチガチに決められていて、全部チェッカーが指示を出しています。チェッカーとしては、基本的に『いかに全体の売り上げを伸ばせるか』で配置を考えるわけですが、それはチェッカーのさじ加減次第でなんとでもなるので……。つまりチェッカーに気に入られることも必要なのです。もちろん圧倒的な数字を残していれば、さすがに売れやすいエリアに配置される可能性は高まりますが、チェッカーに気に入られた方が得であることは間違いありません

番外編「背が高い売り子」

 最後に佐々木さんは、「必ずしも共通していることではないのですが……」と前置きしつつ、身長の高い売り子が売れやすい理由を解説した。 「これはシンプルな話なのですが、背が高い方が間違いなく有利です。お客さんから見えやすいというのももちろんですし、売り子としてもお客さんを見やすいので、先ほど話した“売り子としての視力”を鍛えるうえでも、背が高い売り子の方が有利になると思います。ちなみに私が働いていたときにライバルだった売り子も背が高い美人で、大学卒業後はテレビ局に入社したみたいですね。でも、もちろん背が低くても売れっ子の売り子はいましたよ。有利になるという意味で背が高いことを挙げましたが、背が低くても笑顔が可愛くて営業力のある売り子は、必然的に売れっ子になっていくと思います」  接客時の笑顔、お客さんとのコミュニケーション力、そしてターゲットを見極めるセンスと上司との関係性。売れっ子の売り子になるためのコツを聞くと、どの仕事にも共通する「ビジネスで成功するためのコツ」ともいえる話となった。球場内で各メーカーの売り子たちが必死に競い合い、そのなかで“売れっ子売り子”となった人は、その後どの職種に就いても巧く立ち回れることだろう。 取材・文/セールス森田
Web編集者兼ライター。フリーライター・動画編集者を経て、現在は日刊SPA!編集・インタビュー記事の執筆を中心に活動中。全国各地の取材に出向くフットワークの軽さがセールスポイント
1
2
3
おすすめ記事