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1日300杯売った「ビールの売り子」が“人気の売り子に共通している5つの特徴”を語る

 プロ野球を現地で観戦すると、若い女性の売り子からビールを買うサラリーマンをよく目にする。特に夏の暑い日は、売り子から買うビールを楽しみに球場に行く人も多いのではないだろうか。  客は若い女性からお酒を買って楽しいひとときを過ごしている一方で、売り子たちは少しでも多く売るために客を奪い合い、現場では静かなる戦いが繰り広げられているようだ。  以前、東京ドームを中心に売り子として働いていた佐々木春香さん(仮名)に、売り子の舞台裏についての話を聞いた。佐々木さんは1日で最高300杯を売ったことがある“売れっ子の売り子”だったという。そんな彼女に、今回は「人気の売り子に共通している5つの特徴」を語ってもらった。

①笑顔が可愛い

ビールの売り子

写真はイメージです(以下同)

 ビールの売り子の特徴として、まず「ルックスの良い女性」を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。男性客が多い野球場の“華”ともいえる存在である売り子にとって、ルックスの良さはもちろん武器になる。  佐々木さんに売れっ子の売り子に共通している特徴を聞くと、まず最初に「もちろんルックスが良いのは武器になります」と話した。しかし、ただ可愛いだけでは売れっ子にはなれないという。 「大事なのは“笑顔”です。他の接客業にも共通していえることだと思いますが、お客さんの心を掴むのに笑顔は欠かせませんよね。特にビールの売り子は顧客を掴んだら当日からリピーターになってくれるので、1杯目の接客が重要になります。可愛いだけでも1杯目は買ってくれるんですよ。でも笑顔がないと後半伸びなくなります。ここは売り子の経験だけでなく、接客歴が長い人が強い印象です」

②タレント活動をしている

 ビールの売り子は、いかに多くのお客さんに買ってもらったかではなく、いかに多い杯数を売るかが勝負。つまり、売り子たちが「顧客」と呼んでいる、いわゆるリピーターを多く獲得できるかが“売れっ子売り子”になるための鍵といえるだろう。  普通のアルバイトとして売り子をやっている学生たちは、顧客となってくれる人を球場に入ってから探すわけだが、球場に入る前から“売り子としてではない自分の顧客”を連れて来られた方が当然有利となる。 「最近の場合は、例えば地下アイドルの活動をしているなど、もともと顧客を持っている売り子が強いです。もちろんそのお客さんは、どのビールメーカーだろうがお目当ての売り子からしか買いませんので、まさに推し活ですよね。普通の売り子でもSNSをやっていれば、投稿した写真を見て来る人もいますから、今の売り子はタレント化していると言っても過言ではないです。ビールの売り子として有名になった『おのののか』さんはまさにタレントでしたし、私はおのさんが働いていたときよりも前に働いていましたが、当時からその流れはありました」
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売れる売り子のテクニック
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Web編集者兼ライター。フリーライター・動画編集者を経て、現在は日刊SPA!編集・インタビュー記事の執筆を中心に活動中。全国各地の取材に出向くフットワークの軽さがセールスポイント
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