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インテリアを一気に格上げするペンダントライトの吊るし方と選び方

デザインに優れたものを探すなら、やはり海外製

押村によれば、ペンダントライトについては前述の男女の違いもあるが、海外と日本の差も大きいという。 「海外はペンダントライトの歴史も深く、照明や空間の美しさを重視する文化が続いています。取り付ける場所もキッチン、ダイニング、リビング、吹き抜け、寝室など幅広い。一方、日本はペンダントライトの歴史が浅く、そのほとんどが天井につけるシーリングライトです。海外に比べると、とにかく明るい部屋が大好きで、雰囲気より利便性を大事にしている印象を受けます。と言いますか、そういった照明しか経験がない」 歴史の深さとデザインの美しさを考えると、押村が選ぶのはやはり海外製。お気に入りのものをいくつか教えてもらった。 pendant001「僕が手がける住宅でよく使うのは、ルイスポールセンのPHシリーズです。ルイスポールセンはデンマークの老舗照明メーカー。ポール・ヘニングセンというデザイナーと組んで生まれたのが、世界的に有名なPHシリーズです。ペンダントライトの傘を使って、横から見たときに優しい光を生み出すことに成功しました。PHはポール・ヘニングセンの頭文字です。あまりに有名なので類似品や偽物が多く、これらのものは吊らないでください。メチャクチャ恥ずかしい思いをします」 横から見て美しいペンダントライトはほかにもある。 「ルイスポールセンでは、ほかにも筒型のモダンなAJシリーズや、愛い乳白色のモザーペンダントも素敵です。それぞれアルネ・ヤコブセン、アヌ・モザーがデザインしました。ルイスポールセン以外だとトムディクソン。黒い照明をたくさん吊る、という手法で人気を得ました。最近だと、DCWエディションのヒア・カムズ・ザ・サンや、トーヨーキッチンのクランカーシリーズ、フォスカリーニのカボシェなどもいいです。日本でも一社を挙げるなら、奈良県のニューライト・ポタリーがお気に入りです。吹きガラスを使ったハンドメイドのもので、手作りならではの味があります」 じつに奥深い照明の世界。新築やリノベーションのみならず、今の家に取り入れるのもオススメだ。 〈取材・文/ツクイヨシヒサ〉
(おしむらともや)スタイラス所属。20代で建築、都市計画、インテリア、暮らしについてカナダ、アメリカで学び、輸入住宅などを手掛けるも挫折、住宅とは何かを見失う。大手ハウスメーカーや大手デベロッパーにコンサルティングして感じた「業界の嘘」と「都合の良い慣習」に納得できず、悪しき慣習にまみれた日本の住宅づくりからの逸脱が始まり、住宅業界の異端児となり、1000棟以上の建築設計を手掛ける。2022年7月にYoutubeチャンネル『ジュータクギャング』を開設。近著『美しい家のつくりかた

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1000軒の家を建ててわかったこと

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