しかし、それから数ヶ月後、和人さんの発言や挙動におかしなところがあると察した美月さん。こっそり彼のスマホを見ると……。 「浮気の証拠がバンバン出てきたんです。2種類のマッチングアプリに登録していたし、LINEも知らない女とのやりとりだらけ。アプリナンパを繰り返していたんです。アプリとLINEを合わせると、合計で何十人もの女と繋がっていて。LINEをじっくり見ていると、2人の女とは確実に“男女の関係”になっているやりとりも発見してしまいました。ただ、私と付き合うまで和人君が恋愛経験ゼロだっていうのは本当だったと思うので、急に“遊び”に目覚めた感じでしたね」 　ピュアで誠実だと思っていた和人さんの急変に、なにか事情があるのかもしれないと考え、美月さんは彼に浮気の事実はもう把握しているということを伝えたうえで、話し合いの場を持ったといいます。 「私はできるだけ冷静に話し合いたかったので、怒りを抑えてどうして浮気をしたのかを尋ねたのですが、彼の態度や言葉に背筋がゾゾゾッとしたのを覚えています。和人君は淡々とこう言うんです。 『僕は美月さんで1人目だったのに美月さんは僕で7人目。恋人同士は対等であるべきなのに、経験人数がこんなに違うのは不公平。だから僕が他の女の子とするのは当然の権利。今の僕は経験人数が3人になっているから、あと4人はする権利がある』 　動揺するでも逆ギレするでもなく、いつもどおり温和な口調だったので驚いてしまいました……」