大阪アメ村で“タトゥーやピアスのお兄さん”たちを撮影。SNSで人気の“ストリートスナップ動画”の意外な裏側
街で見かけた“気になる人”に声をかけ、そのファッションやライフスタイルを紹介するストリートスナップ動画がTikTokやInstagramなどのSNSで流行中。フォトグラファーの九州男さん(@kusuo_0226)は、大阪のアメリカ村を中心に“タトゥー”の少しいかつい雰囲気のお兄さんや、個性的な人々のストリートスナップを撮っている。
容姿はもちろん、自身に関するパーソナルな情報を一切隠して活動してる彼。謎のフォトグラファーは、一体なぜストリートスナップ動画の投稿を始めたのだろうか。じつは数年前まで、カメラは素人だったという九州男さん。活動を始めた経緯について、今回はメディアで初めて明かしてくれた。
九州男さんがフォトグラファーの道を歩み始めたのは、今から約2年前。きっかけは、当時手伝っていたイベント制作会社の先輩からの頼みだった。
「先輩に『イベントのカメラ要員が足りないからやってみて』と言われたのがスタートです。まったくの素人だったので、どうしようかと思っていたら『街で撮って練習してきたら?』って。1日4時間くらい練習していました。当時は人にお渡しできるような写真じゃなかったですね」
練習する中で工夫を重ねていき、「次は絶対に上手くなるぞ」と思いながら努力を続けた。そこに目を付けたのが、九州男さんの“メンター”でもあるイベント制作会社の社長だ。
「社長はすごく感覚派な人なんですが、『ストリートスナップ動画は九州男に合う』と感じたらしくて。ただ、その時点でストリートスナップ系の動画はすごく人気だったので、投稿者が飽和状態だったんですよね。僕自身の能力だけでは上手くいかないだろうと思い、『やってみるから力を貸してほしい』とお願いしました」
社長を総合プロデューサーとし、サポートスタッフとしてSNSの企画担当者が付くことになった。さいきんはYouTuberにも動画編集者やディレクター、マネージャーなどのスタッフが付いているのと同様に、九州男さんもチームで動いている。
3人体制のチームを結成後、今年3月からInstagramとTikTokで動画投稿を開始。当初はアメリカ村の三角公園から少し離れた「立花通り(※通称オレンジストリート)」を中心に撮影していたそうだ。
「オレンジストリートは比較的クリーンな雰囲気の通りなので、被写体の皆さんも柔らかい雰囲気の方が多くて。アメ村のような、いかつい感じの方はあまりいなかったですね。SNSが伸びたのは、タトゥーを入れている方を撮り始めてからです」
アウトサイダーな雰囲気をまとった人々を撮っているアカウントが少なかったこともあり、「近寄りがたい人たちの日常を撮っている」と人気が出るように。九州男さん自身、昔からHIPHOPカルチャーが好きで憧れがあったという。
「もともと古着やHIPHOP、タトゥーやピアスなどのカルチャーが好きで、そこにいる人たちと関わりを持ちたいと思っていました。それに、ストリートスナップ動画の投稿者としては後発組だったので、自分の色を持ってやったほうが覚えてもらえるだろうなと」
「フォトグラファー九州男」を認知してもらうため、自身が好きなカルチャーの人たちに声をかけるようになった。撮影はその場で気になった人に突撃していくスタイル。片手にスマホを持ち、動画を撮りながら撮影交渉をしている。
「認知度がない頃は声をかけてもガン無視されて、冷たい態度を取られることもありました。怒られるとかはなかったけど、怖かったですね(笑)。でも基本的に、皆さん快く応じてくれます。今は9割が突撃、残り1割は依頼を受けてやっています」
“先輩の頼み”から始まったカメラマンへの道
撮影はいつも突撃スタイル
福岡県出身。フリーライター。龍谷大学大学院修了。キャバ嬢・ホステスとして11年勤務。コスプレやポールダンスなど、サブカル・アングラ文化にも精通。X(旧Twitter):@0ElectricSheep0、Instagram:@0ElectricSheep0
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