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早期退職“退職金500万円上乗せ”でも大後悔の36歳「会社の看板ナシでは通用しない…」現実

 長引く不況の影響で大手企業を中心に「早期退職」や「希望退職」を募るケースが増えている。“退職金の上乗せ”などの優遇策はあれども、そこで手を挙げるべきか難しいところだ。  今回はその条件に魅了され、早期退職を決断したものの「後悔している」という2人のエピソードを紹介する。

“優秀な人”ほど早く辞めていくことに焦り

スマートフォンを見て頭を抱えるビジネスマン

※写真はイメージです。以下同

 大家翔さん(仮名・36歳)はメーカーで管理職として働いていた。しかし、会社の業績が悪化し、30代で早期退職を検討することになる。 「早期退職者は退職金が上乗せになる」という話から、優秀な先輩や同僚がこぞって退職する意向を示したという。そんな中、大家さん自身も会社の将来と、「“優秀な人”ほど早く辞めていく」ことに不安を覚えて退職を決断した。 「肝心の退職金の上乗せは、本来の退職金に給与の約1年分を上乗せするというもので、私の場合は合計で約1000万円(通常約500万円)でした」  そんな“魅力的”な条件に大家さんは喜んだ。だが、それはいっときの感情に過ぎず、退職後は後悔する日々を送ることに。

今までの実績は“会社の看板”のおかげ

「お付き合いのあった企業から就職のお誘いを受けていましたが、新たな職場でイチから仕事を務める気持ちになれず、退職後は個人事業主(IT関係)として一歩を踏み出すことにしました。自分のスキルを活かせると思って最初はワクワクしていたのですが、現実は甘くありませんでしたね」  個人事業を始めるには勉強不足で、銀行からの融資も厳しく、会社員時代に築いた人脈を頼りに営業するも、なかなか仕事をもらえなかった。 「今まで自分の頑張りで築けていたと思っていた業績や人脈は、“会社の看板”の力が大きかったんです。それに気づいて、ショックを受けました」  そして、最も厳しかったのは金銭的な部分だったようで、退職金はあっという間に底をついた。
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かつての同僚たちが出世するなかで…
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2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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