ぼったくりキャバクラで働いていた女性の証言「客は気の弱そうな人ばかり…」――危険に身を置く女性たちトップ5
大事件ばかりがニュースではない。身近で巻起こった仰天ニュースを厳選、今回は危険に身を置く女性たちに注目した記事のなかから反響の大きかったトップ5を発表する。第2位はこちら!(集計期間は2017年1月~2022年12月まで。初公開2020年5月23日 記事は取材時の状況)
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夜の街のトラブルで多い、ぼったくり。被害に遭った経験を持つ人もいるのではないだろうか。今回、勤務する店がぼったくりキャバクラだったと語るキャバ嬢に話を聞くことができた。
ぼったくりキャバクラについて語ってくれたのは、莉奈さん(仮名・23歳)。現在女子大生だ。両親にキャバクラで働くことを秘密にしていたこともあり、歌舞伎町の小さな店を選んだという。
「お金は稼ぎたいけど、目立たず働きたい。そんな私にとってピッタリの店でした」
時給は3000円、そこから雑費として2割ほど引かれる。客単価が低いため、客層もあまりよくなかったとか。
「安さ重視でキャバクラ探しをしているお客さん専門って感じでしたね。ドリンクはほとんど出ないし、リピーターさんも少なかったです。金曜日の夜は忙しかったですが、その他の日は暇で、早上がりも多かったです。お店を変えることも考えたのですが、有名店は大変そうだと思ったら面倒になっちゃって、まあいいかなと。そんな感じでのんびりとやってたんですが、ある日を境にガラリと変わったんです」
莉奈さんが在籍して半年頃、キャッチに連れられて泥酔した男性客が2名来店してきたそう。
「すごく酔っていましたが、キャストに対して“お酒飲む?”とか声かけてくれて好印象でした。お店が暇だったので、ボーイさんたちもキャストと一緒になってお酒をどんどん進めたんです。あんなに盛り上がったの初めてかも」
今までに経験したことがないほどの盛り上がりが、2時間ほど続いたと彼女は話す。
「お客さんがチェックして、ボーイさんがお会計を持ってきました。その金額に、私たちもびっくり! なんと総額100万円だったんです。シャンパンとか高級なお酒が注文されていたなら分かるんですが、大五郎の水割り、おつまみのポッキー、女の子指名料で100万ですよ。
大五郎の水割りは1杯2万円、おつまみのポッキーは5万円、そして女の子指名料が30万円、女の子用のノンアルコールドリンクが1杯2万円。通常金額の10倍以上となっていて。すぐにぼったくりだっていうことに気づきました。女の子たちもドン引き。お客さんも青ざめた表情でしたね。でも、なんと全額支払ったんですよ」
客の2人は店に運転免許証を預け、翌日現金で100万円を持ってきたというから驚く。
「正確には運転免許証を取り上げられていましたね、あれは間違いなく犯罪なんじゃないかと思います。でもボーイさんたちは大笑いしていました。“今日は大儲け~!”とか言ってたかな」
その日から、莉奈さんの店はぼったくりキャバクラとして姿を変えたのだ。
「ぼったくりキャバクラに変わってから、気の弱そうな人や泥酔したお客さんばかりになりました。多分、お店側とキャッチのお兄さんで話が付いていたんだと思います。女の子たちもぼったくりだって知ってるので、無理にお酒を進めたり飲みたがったりしなくなりました。でも、ボーイさんからは“もっと頑張ってもらわないと”って、前よりも圧をかけられるようになったんです」
テーブルには小さな文字で、“女の子にドリンクを出した時点で指名・延長声掛けなし”と書いてあったりと、ぼったくる気満々。中には警察を呼ぶと通報した客もいたが、最終的には客側が支払わざるを得ない状況だったそうだ。
「このままじゃこの店は摘発される、そうしたら私は親バレするし、就職にも影響するって思ったんです」
莉奈さんは自分の身を守るため、お店をバックレることを決意した。
ある日突然、ぼったくり店になったキャバクラ
警察を呼ばれたこともあったが…
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