更新日:2016年08月29日 18:41

老人の凶悪犯罪数「90年代の20倍に」

 高齢化社会に向けて社会福祉の充実が叫ばれる一方で、老人による凶悪犯罪が増えている。内閣府発表によると、暴行・傷害など粗暴犯の数は十数年前に比べて約20倍。高齢者増加数に対する粗暴犯検挙率も、日本がトップだというが…… ◆最近の高齢者凶悪事件 ・石川県金沢市97歳(♂)  自宅から約100m離れた親戚宅に歩行器を使って訪れ、親戚の妻を日本刀で切りつけ軽傷を負わせた。動機については、金銭トラブルがあったと供述している ・北海道釧路市75歳(♀)  清掃作業員が知人女性(66歳)の頭や顔をツルハシやウィスキー瓶で数十回殴打し殺害。「金銭トラブルになり、カッとなって殴った」という ・東京都渋谷区74歳(♀)  渋谷駅で通行人の女性(61歳)に刃物で切り付け重傷を負わす。容疑者は刃物について「戦うために持っていた」と供述。動機は「じろじろ見られて腹が立ったので」 ・宮崎県宮崎市86歳(♂)  自転車マナーを注意した男性(45歳)と口論となり、野菜採集用に持っていた鎌で切り付け頭に全治5日間のケガを負わせる。「殺すつもりはなかった」と供述 ・奈良県広陵町85歳(♂)  81歳の妻を杖で殴って殺害。容疑者は「(妻が)朝食を作っていないことに腹が立った」などと供述。過去にも4回、妻への暴力に対し警察から警告を受けていた
高齢者犯罪の実態

内閣府発表の平成23年度犯罪白書より。平成10年辺りを境に、65歳以上の刑法検挙者数が増加中。平成12年から比較すると約2.7倍。平成10年当時の65歳以上といえば、'33年以降生まれの「戦中・戦後世代」

高齢者犯罪の実態

粗暴犯だけを見ても同時期、極端に急増。

― [バイオレンス老人]急増の謎を追った【3】 ―
おすすめ記事