借金4億円を背負った元プロレスラー・田上明のその後「ゼロになってホッとした部分もある」
まともに眠れない日が続いていた
「実際に蓋を開けてみたらビックリということが多かったんだよ。たとえば経理部門の杜撰さ。切符(チケット)を持っていくけど、お金を入れないなんていうことは日常茶飯事なわけ。30万円分の切符を持っていきながら、10万円しか入れないとかね。帳面にはついているから横領にはならないのかもしれないけど、どんぶり勘定なんていうレベルじゃなかったよ。そもそも経理のトップから率先してポッポに入れているわけだから。『こんなの三沢が本当に許していたのか?』って呆れて聞いても、『特に問題にはならなかったです』って平然と答える始末でね」
社長として田上が取り組んだのは、「ちゃんとした会社にする」という極めて当たり前のことだった。選手の給料体系も、試合ごとのギャラ制度から月給制に変えたという。一方で大会スケジュールなど、現場に関することはすべてフロントの仲田に一任していた。経営に汲々とする田上としては、リング上のことなど構っていられないというのが本音だった。
「結局、(自身が社長を辞めた)16年の時点で団体の負債は4億円にも膨れ上がっていたんだよね。三沢時代から引き継いだのが約2億円。俺が社長になってからの分が2億円くらいかな。これ以上続けたところで、負債が増えることはあっても減ることはないわけでさ。もう選手に給料を払うのも大変だったし、限界を迎えていたよ。そんなとき、『こういう話があるんですけど……』と身売りの話が届いたわけ。正直、ホッとしたね。社長になってからというもの、まともに眠れない日が続いていたから」
借金4億円を1人で背負うことに
出版社勤務を経て、フリーのライター/編集者に。エンタメ誌、週刊誌、女性誌、各種Web媒体などで執筆をおこなう。芸能を中心に、貧困や社会問題などの取材も得意としている。著書に『韓流エンタメ日本侵攻戦略』(扶桑社新書)、『アイドルに捧げた青春 アップアップガールズ(仮)の真実』(竹書房)。
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『飄々と堂々と 田上明自伝』 四天王プロレスの真髄から ノアの表と裏まで
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