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子ども部屋の“最適な広さ”は4.5畳か6畳か?正解は「まさかの5.2畳」だった納得の理由

子ども部屋は快適じゃなくていい

子ども部屋が快適じゃなくていいとは、これまた独自の発想だ。その真意とは? kodomobeya002「LDKに家族が集まることを第一に優先した設計にしたいからです。リビング学習といってLDKで勉強したほうが学力は上がるともいわれ、そういった子どもたちが増えています。もちろん、子ども部屋は必要です。子どもにも人格があり、人権があるので最低限の個室はあってしかるべきでしょう。しかし子供部屋にこもるより、親としてはLDKにいるほうが楽しいと思ってもらいたい」 最低限の個室とはベッド、デスク、本棚が置けたうえで、プラスアルファとしてクローゼットのある部屋。その最適サイズが5.2畳なのだという。 kodomobeya003kodomobeya004「勘違いしてほしくないのは、狭いから手を抜いてつくるわけではないこと。壁の色、床の色、ドアの色、スイッチの高さ、コンセントの高さ……と細部に至るまで、お子さんに配慮したものを用意します。部屋の完成度という意味では、むしろ最高のものを用意したいと思っている。なかでも、僕がもっとも重要視しているのは壁の色ですね。壁というのはとにかく目に入るところですから。部屋のなかに占める割合が、天井より大きいわけです。そこに美しいカラーを入れてあげることで、情緒や感情を育てられると考えています」 最初に大きな部屋をつくって、子どもが大きくなったら間仕切りして2部屋にするという発想もあるが、押村は言下に否定する。 「おそらく家を建てるタイミングとして、もっとも多いのは第一子が生まれたとき、次が結婚したときでしょう。つまり、ほとんどの場合が2人目を産むかどうかわからない状態なので、大きい子ども部屋をひとつ用意しておいて、あとから間仕切りをすればいい、という発想はわかります。しかし、考えてみてください。あとから間仕切りしたような空間で、お子さんたちは本当にリラックスできますか。それなら小さい部屋を最初から2つ用意して、ひとつは納戸にしておきなさい、というのが回答です」 ちなみに、これまでの経験上、あとから間仕切りして2部屋にしたという事例は極めて少ないそうだ。 〈取材・文/ツクイヨシヒサ〉
(おしむらともや)スタイラス所属。20代で建築、都市計画、インテリア、暮らしについてカナダ、アメリカで学び、輸入住宅などを手掛けるも挫折、住宅とは何かを見失う。大手ハウスメーカーや大手デベロッパーにコンサルティングして感じた「業界の嘘」と「都合の良い慣習」に納得できず、悪しき慣習にまみれた日本の住宅づくりからの逸脱が始まり、住宅業界の異端児となり、1000棟以上の建築設計を手掛ける。2022年7月にYoutubeチャンネル『ジュータクギャング』を開設。近著『美しい家のつくりかた

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1000軒の家を建ててわかったこと

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