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お総菜の「RF1」がコロナ禍で苦戦した意外な理由。“郊外に出店する施策”はどう転ぶか

新規施策の効果は果たしてどう転ぶか

今後の方針について見ていきましょう。2024年4月期は消費行動の正常化もあり売上高520億円と過去最高を見込んでいます。そして具体的な施策としては、主に(1)冷凍食品の強化と(2)居住地近郊への出店を進めるようです。 (1)に関しては冷食専用の新ブランド「RFFF(ルフフフ)」を2022年に発売しており、自社直営店やECだけでなく、スーパーや他社ECでの外販事業も強化するとしています。 (2)は、従来のデパ地下や都市部のデパ地下だけでなく、郊外の駅ビルや商業施設にも「RF1」などの店舗を展開するようです。ここ15年の増収幅は100億円程度に収まっており、都市部への出店は限界を迎えているのでしょう。 とはいえ、冷食事業に関しては「RFFF」の知名度自体が低いため、上手くいくかは未知数です。大阪王将の冷食事業が好調なように、「RF1」のブランド名をそのまま使うべきではないかと筆者は考えています。 また、(2)も同社が手がけるブランド店はやや高価格帯にあるため、需要が見込める地域は限られるでしょう。直近の業績目標は達成するかもしれませんが、今後(1)及び(2)の両施策が主な収益源の一つになる可能性は低そうです。 <TEXT/山口伸>
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 Twitter:@shin_yamaguchi_
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