お総菜の「RF1」がコロナ禍で苦戦した意外な理由。“郊外に出店する施策”はどう転ぶか
化学メーカーで研究開発を行う傍ら、経済本や決算書を読み漁ることが趣味のマネーライター・山口伸です。
『日刊SPA!』では「かゆい所に手が届く」ような企業分析記事を担当しています。さて、今回は株式会社ロック・フィールドの業績について紹介したいと思います。
ロック・フィールドと聞いてどんな会社か分かる方は少ないことでしょう。登山用品などを扱っていそうな社名ですが、実は総菜の販売事業を手がける企業で、デパ地下でよく見かける「RF1」や「神戸コロッケ」などを運営しています。特にRF1は高価格帯ながら品質の高いデリカテッセンとして認知され、同社の成長を支えてきました。今回は、ロック・フィールドの沿革や近年の業績、今後の方針について見ていきたいと思います。
同社は創業者が1965年に神戸でオープンした欧風レストランがルーツです。神戸ビーフを使った料理が評判でしたが、創業者は欧米視察で見かけたデリカテッセンに魅了されたようで、1972年に大丸神戸店でデリカテッセン1号店をオープンしました。
デリカテッセンとは欧米などでよく見られる持ち帰り用の惣菜店のことで、ハムやソーセージ、サラダやサンドイッチなどの食品を扱っています。同社は70年代中に早くも大阪や関東に進出し、工場を増設しながら惣菜店を増やしていきました。
1989年にコロッケ専門店「神戸コロッケ」をオープンした後、1992年には現在のメインブランドである「RF1」1号店を東武百貨店池袋店に開店しました。この時より、百貨店ごとに分かれていたブランド名を「RF1」に統一したようです。
現在の赤・青・緑を基調とするデザインとなったのは1995年からです。2000年には東証一部に上場し、2005年には和風総菜の「いとはん」1号店をオープンしました。
その後もじわじわと成長し、2017/4期には売上高500億円を突破しました。2023/4期末時点で「RF1」140店舗、「グリーン・グルメ」70店舗、「神戸コロッケ」36店舗、「いとはん」32店舗などを展開しています。
主力のRF1は売上高の6割を占め、高価格帯ながらも高い品質の惣菜店として認識されています。ちなみに2番目に店舗の多いグリーン・グルメは、RF1や神戸コロッケなどの姉妹ブランド商品を扱っている惣菜店です。
1970年代にレストランから総菜事業へ転換
「RF1」ブランドは全国に140店舗展開
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 Twitter:@shin_yamaguchi_
記事一覧へ
記事一覧へ
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ