更新日:2024年04月10日 20:00
お金

“ビジネスチャンスを逃したくない”スタートアップ経営者やフリーランスの資金調達の選択肢「ファクタリング」の真価とは?

「早く入金されないものか」とネットバンクの更新ボタンを連打。個人事業主やフリーランス、ベンチャーやスタートアップ経営者にとって、足元の運転資金は悩ましい問題である。“資金調達”は簡単ではない——。  銀行からの融資や投資家・VC(ベンチャーキャピタル)からの出資を受けるためにも大きな手間と時間を要するもの。そこに気を取られているうちに肝心の事業が傾いていく。そして厳しい現実に耐え切れず、多くの人が挫折していくとも言われているが、そんななかで「ファクタリング(請求書買取サービス)」という選択肢が注目されつつある。  ひらたく言えば、“請求書の現金化”。ファクタリング業者に手数料を支払うことで、取引先からそのうち入ってくるはずのお金を先払いしてもらうというものだが、「業界最低水準の手数料」「オンラインでやりとりが完結」「即日振込(最短30分)」を強みにするAIファクタリングサービス「PAY TODAY(ペイトゥデイ)」の利用者が急増中なのだとか。
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Dual Life Partners株式会社 取締役の田中氏

 一般的にファクタリングはあまり聞き慣れない言葉かもしれないが、実際のところはどうなのか。今回は「PAY TODAY」を運営するDual Life Partners株式会社 取締役の田中氏に詳しい話をうかがった。

大きなビジネスチャンスや成長の機会を逃さないために…

dlp6349  Dual Life Partnersは、もともと不動産管理業からスタートした会社。社名のとおり“お客様のライフスタイルを選択する手助け”をミッションに掲げているが、そのなかで「資金調達に関してお手伝いしたい」と考えるきっかけがあったとか。 「お客様とコミュニケーションを取るなかで、Web関係の仕事をしている個人事業主やフリーランスの方々から『資金調達の方法がなさすぎる』、その結果として『ビジネスチャンスや成長の機会を逃してしまう』という話を何度も聞いたんです。資金調達の方法がないのであれば、弊社が何かお手伝いをできないものかと。  ファクタリングならば個人事業主やフリーランスでも気軽に利用できるものなのでサービスを始めてみたところ、蓋を開けてみれば、法人の利用も多くて驚きました」  当初はファクタリングを使うのが通例にもなっている建設業や運送業の利用者が中心だったものの、コロナ禍での世の中の急速なデジタル化も相まって、現在ではITベンチャー系など幅広い業界から支持されるようになったという。

ファクタリングは“請求書の買取り・先払いサービス”

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ファクタリング会社と利用者の2社間ファクタリングのイメージ

 そもそも「ファクタリング」とは何なのか? 一般的には、まだまだ知られているとは言い難い。 「日本語で簡単に説明するならば、売掛債権(請求書)の流動化。より分かりやすく伝えるために、“請求書の買取り・先払いサービス”と言うこともあります。商取引において、請求書を出しても実際に支払われるまでの期間は早くてもだいたい1か月、45日が経ってから。しかし、もしもその間にビジネスチャンスや成長機会が訪れたら……。  間違いなく売り上げが伸びる、大きな案件を受注できるタイミングがきているにもかかわらず、手元に外注資金が足りないなんてことはよくありがちです。そんなときに、お金が入ってくる予定の請求書を先に現金化する、それがファクタリング。ベンチャーやスタートアップ企業、個人事業主やフリーランスにとって、“手軽でスピード感がある資金調達の方法”と言えます」
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ITベンチャーの「PAY TODAY」活用事例。新規顧客として急に大手企業から発注があり、手元の外注費の不足分をファクタリングで調達し、大きな利益を得ることに成功した

 事業において、そのスピード感がそのまま優位性につながる可能性があることは言うまでもないだろう。

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資金調達の新たな選択肢に

dlp6618  さて、資金調達と聞いて、最初に思い浮かぶのは銀行からの融資(デット・ファイナンス)。あるいは、投資家やVC(ベンチャーキャピタル)に出資してもらう(エクイティ・ファイナンス)があるだろう。だが、ネックとなるのは「時間と手間が掛かる」という点だ。 「金融機関から融資を受けたり、投資家から出資を得たりできれば、企業は大きく安定するので、必ずそこに行き着くべきではあります」  田中氏はこう前置きしたうえで、次のように話す。 「ただ、現実問題としては、スタートアップに銀行が出してくれるのは創業融資ぐらいで、その金額も頭打ち。事業内容も厳しく見られてしまうので、着金まで3か月や4か月も時間を要してしまうことはザラです。じゃあ、その間の資金をどうやってまわすのかと言えば、自分の貯蓄から切り出すか、カードローンの枠を使うか、実際そのぐらいしかないんです。  エクイティになると、さらに時間と手間が掛かります。事業計画を立てて、資料をつくって、それを説明して、納得してもらうまでには半年から1年弱ぐらい掛かる。そこまでする価値があるのは当然ですが、相当の体力がいるのは確かです。事業と資金調達は両輪でまわるので、どちらか止まってしまうと、その先には行けなくなってしまいます」  “もっと手軽にスピード感を持って資金調達できる方法”として、ファクタリングがあるという。エクイティとデット以外にも資金調達の選択肢が増えるのはありがたい。

「いつかは卒業するもの」“ブリッジファイナンス”としての利用がオススメ

zu-01  田中氏によれば、ファクタリングは3年も4年も使い続けるものではなく、おおむね半年程度で“卒業”するべきなのだとか。 「とくに創業から2年以内のスタートアップに関しては、融資が出るまでお手伝いをしようと考えています。ファクタリングは負債にはのらず、決算書のBS(賃借対照表)を傷つけないというメリットもありつつ、事業が伸びれば銀行の見る目も変わっていくので。これをどのように活用していくのか話し合っていきます。一方、VCやエンジェル投資家のエクイティを希望していて、将来は上場したいと思っているお客様に関しては、投資ラウンドのシリーズA、B、C(※企業の成長段階)のうち、Aの部分だけをファクタリングで支援する。  もちろん、コロナ禍以降は売り上げが大きく落ち込んで金融機関から融資が出にくくなったというお客様も多いので、足元の資金繰りとしてファクタリングでお手伝いさせていただくこともあります。ただ、私たちが必ず確認するのが『いつ卒業できますか?』という点です」 zu-03PAY TODAY」では、あくまで“ブリッジファイナンス”(一定期間の資金調達)として利用することを推奨しているという。 「資金繰りが悪化して一時的に使うこともあるかもしれませんが、先ほどお話したとおり、金融機関や投資家から資金調達ができれば企業は安定します。たんなる“その場しのぎ”のファクタリングを続けるのではなく、きちんと将来の売り上げや資金調達が見込めるのか。目的が見えているならば、ファクタリングで一時的につないでいただくというのが正しい使い方だと思います」

本末転倒にならないように注意

zu-04  ファクタリングは、なぜ卒業を見据える必要があるのか。それは他の資金調達に比べると“手数料が割高”で、本末転倒になりかねないからだ。 「銀行の融資であれば、年利で15%を超えないように利息制限法で上限金利が決まっています。しかしファクタリングは融資ではなく、請求書の売買取引になる。一般的には5〜20%程度の手数料となりますが、これは金額だけ考えると、融資の金利などよりも割高です。  たとえば、入金まで45日の売掛債権(請求書)で手数料が7~8%とか掛かってしまうとして、仮に事業の利益が10%ならば、手元に残るのは2〜3%しかありません。ファクタリングの自転車操業みたいになって毎月続けていると、事業をやっている意味が分からなくなってくるでしょう。あまりに頻繁に利用するのは、根本的な部分で何かが間違っている可能性がありますね。そうならないために、ファクタリングを使う最初の段階で、事業を成長させるためのブリッジファイナンスとして“卒業を見据える”ことが重要なんです」

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「業界最低水準の手数料」「オンラインでやりとりが完結」「即日振込」が強み

 ファクタリングは“手数料が割高”と言われているなかでも「PAY TODAY」は業界最低水準の手数料。さらに上限が決められており、「1〜9.5%」と一桁の手数料が約束されているのだ。手数料10%以上の業者が多い(※)なかで、いったいなぜ? 「上限が一桁なのは、おそらく『PAY TODAY』だけ。これはサービスを始めた動機として“お客様のお手伝いをしたい”から業界に参入したことが大きいです。“儲けたい”よりも“負担を減らしてあげたい”という思いが前提にあるので」 (※)2社間ファクタリングの手数料の相場は10~25%程度  また、「PAY TODAY」はAIによる審査が導入されており、オンラインでやりとりが完結するうえ、即日振込(最短30分!)の入金スピードも利用者から好評を得ている。 「お客様はスピードを求めているので、それに応えるためにはいったんAIで判断を早くする必要があります。ただ、AIファクタリングサービスではあるものの、意外と“人の判断”も入ってきますね。普通の金融機関だったらすぐに門前払いのケースや、他のファクタリング業者ではダメだった場合も『PAY TODAY』は使えることもある。  とくにベンチャーやスタートアップって、事業実態が多種多様。新しいビジネスモデルや発想が多いので、一見すると、何をやっているのかわからないこともあります。それで、Zoomや電話などをつないで詳しく聞いてみると、決算書は赤字だったとしても将来的に大きな可能性があったりするので、機械的な型にハメた判断だけで切り捨てるのは“もったいない”と思っています」  オンラインで完結するサービスとはいえ、どこか人のぬくもりが残る「PAY TODAY」。  こうした考え方に至るようになった背景には、じつは運営するDual Life Partners自身もベンチャー・スタートアップの立場で、資金調達するためのあらゆる苦労を経験してきたからなのだとか……。だからこそ、利用者の気持ちがよくわかる。 「おそらく、『PAY TODAY』を選んでくれるお客様は、我々を“相談相手”として信頼してくれているのかもしれません。そこに応えたいというのがあって。もちろん、ファクタリングを使ってもらうこともあれば、場合によってはコンサルやVCを紹介することもあります」

ファクタリングのネガティブなイメージを変えたい

 田中氏は、さまざまな資金調達の手段があるなかで、あくまで「自分たちに合った方法を選んでほしい」と話す。 「それぞれの企業でファクタリングを使う場面が必ず出てくるはずで、どういう使い方が効果的なのか、『PAY TODAY』からも提供していきたいと思っています。ただ、現状は経営者のなかでも一部の人しかファクタリングの存在を知りません。また、古くからの経営者からすると、『そんなの使ったら終わりでしょう』みたいに言う人さえいます。  以前、“給与ファクタリング”などと称したヤミ金や悪徳業者の違法行為について、金融庁から注意喚起が出されましたが、まだまだ認知度が低いことから今も紙一重に思われている部分もあります。それとは違うということ、業界全体の怪しくネガティブなイメージを『PAY TODAY』で変えていきたいと思っています。正しい使い方をすれば、企業が安定することを多くの人たちに知ってもらいたいです。使うかどうかは置いておき、まずは気軽にご相談ください」

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【取材・文/藤井厚年、撮影/山田耕司(扶桑社)】 <提供/Dual Life Partners>
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