──もし「森さんの好きな人と一緒に仕事していいよ」と言われたら、思い浮かぶ人はいますか。 森：私は元々AKB48がすごく好きでした。中学生の頃はスマホとか持ってなかったから、家に帰ったらすぐにパソコンで調べてAKBの動画を見る生活をしてたんです。最近、久しぶりに当時のAKBのドキュメンタリーを見たら、懐かしい気持ちになって「あの頃のAKBに入りたい！」って強く思いました。 誰にも話したことがなかったけど、あの頃は本当にAKBに入りたかった！ 私は別の形でアイドルになって、アイドル人生をまっとうしたので、その気持ちは自分でも忘れてたぐらいなんですけどね。前田敦子さんが大好きだったので、あっちゃんがいるAKBに入りたいです。 ──森さんは、芸人の「かまいたち」が好きですよね。かまいたちと一緒に仕事したいと思うことはありますか。 森：思います！ でも、お仕事だと「かまいたちさん、濱家さん、山内さん」ってかしこまっちゃうじゃないですか。かまいたちファンとしては、テレビやYouTube、ライブで見ているときみたいに「うわ、山内おもろ！」とか言いたいんですよ！ お仕事をご一緒したい気持ちもめっちゃあるけど、一視聴者として家やライブ会場で「やっぱり濱家最高！」なんて叫びたい。でも、会いたい……。これは難しい問題です！ ──ライブに足を運ぶって、かなりのお笑い好きですよね。 森：いま、ラジオでも、私がお笑いライブを見に行って、面白かった芸人さんを紹介するコーナーを担当しているんです。やっぱり距離が近いぶん、お笑いライブは面白いですよ。板の上の芸人さんと目が合うと感動します。 コーナーで紹介するために、面白いと思った芸人さんはメモするようにしています。そのメモを見ながら、あとで所属事務所や他のネタを調べるんですけど、一人だけ、調べても何も出てこなかった芸人さんがいるんですよ！ 下北沢の無料ライブで見た「鶏そぼろシャケ彦」さんっていう方なんですけど。あまりにも検索に引っ掛からないので「そんな人いないんじゃない？」って、私が嘘ついてるみたいになっちゃいました。 ──すごいコアなところまで攻めてますね！ 森：それから、この間行ったお笑いライブでは、30人くらいのキャパの会場でお客さんが私一人だったんです！ 芸人さんを見ている人より、私を見ている芸人さんのほうが人数が多いっていう状況で。ネタ中はいいんですけど、トーク中にステージ上から「普段からお笑いライブに来られるんですか」とか話しかけられてしまって。人見知りなのでちょっと気まずかったです（笑）。でも、自分一人のためにお笑いをやってもらえることなんてなかなかないので、本当にすごくいい経験でした。 ──森さんがここまでお笑い好きだってことが、もっと世の中に知られてほしいですよ。 森：かまいたちさんに「かまいたちウケる！」と言えなくなるのと同じで、好きなことを何でもかんでも仕事にしちゃうと、本当の感想が言えなくなるシーンが出てきちゃう。バランスが難しいですよね。 1年前と同じことを言うようですが、私は自信を持って「やりたい！」と言えることがまだあまりありません。ただ逆に、やりたくない仕事もまったくないので、これからも柔軟に、いろんなことに挑戦させてもらえる自分でいたいなって思っているところです。 【プロフィール】 森みはる（もり・みはる）1996年10月14日生まれ。兵庫県出身。アイドルグループ「26時のマスカレイド」のメンバーとして活動開始。2022年10月30日をもってグループが解散し、アイドル活動を終える。現在はソロとして活動し、ラジオ番組『劇団サンバカーニバル』（FM FUJI）にレギュラー出演中。11月3日公開の映画『恐解釈 花咲か爺さん』では主演を務めた ＜取材・文／むらたえりか　撮影／Sherry Kaneko＞