蕁麻疹・頭痛・発熱……拒絶反応で壊れてしまう人々
―[マジで怖い[職場の奇病]症例集]―
ストレスや多忙からくる体調不良や仕事中につい出てしまう癖……。こうした”職場の奇病”は、ひょっとして心の悲鳴!? 放置しておくと大変なことになることも。なんでもかんでも「ストレス」と言うのもいかがなものかと思いつつ……。人員&コスト削減→業務量過多の労働デフレスパイラル状態の今、体の声に真摯に耳を傾けるべし!
【ある人への拒絶反応】
蕁麻疹に頭痛、発熱……体が人を嫌うということ
かくも人の体は正直なわけだが、嫌いな人、苦手な人への拒絶反応はさらにあからさまで。
「生理的に無理な上司に会うと蕁麻疹が出る」(28歳・男・金融)、「何かと自分にツラく当たってくる先輩がいる。私もつい反論してしまうのだが、そのとき、ひくひくと顔面麻痺している」(37歳・女・メーカー)、「嫌いな上司の幻聴が聞こえるようになった」(30歳・男・教育)と、その症状もさまざまだ。
症状が表面に出れば周囲の同情や理解も得られるだろうが、「同僚の女性は、向かいの席の同期が嫌いすぎて声を聞くたび頭痛がして熱が出て、その同期が外回りに出ると治るそう。熱が本当に上がっているので仮病ではないようだが……」(33歳・女・食品)なんてのは、ともすると詐病の疑いをかけられる可能性もあり、ツラいところ。
また、「前の部署で一緒に働いていた先輩がとにかく意地悪で、更衣室に2人きりになると、嫌みを言われたり、怒鳴られたりした。その先輩とすれ違うだけで動悸が激しくなるようになり、最後は更衣室に一人で入ることもできなくなってしまった」(37歳・女・サービス)と、ある種のトラウマになってしまうこともある。
さらに驚くのは、嫌いな人がいる側だけに症状が出るケース。
「オフィスで苦手な人が視界に入らないようにしていたら、反対側に首が曲がった。寝違えたのかと思ったが、心の問題だと医者に言われた」(32歳・女・事務)、「左側に座っている上司が嫌いで、右側にしか体が向かないようになった」(41歳・男・設計)、「ある個人クリニックの受付をしていたとき、オーナーがいつも左側に立っていて、左耳が耳鳴りをするようになった」(28歳・女・医療)なんて人から、果ては、「上司の机のほうに面した側だけ髪がハゲた人がいた。上司が代わったら生えてきた」(36歳・男・銀行)なんて人もいて。不謹慎ながらも人体の不思議を感じずにはいられない。
「ワンマン社長がスピリチュアルにハマり、部下にも信仰を強要。そのうち社長を連想させる臭いをかぐと吐き気をもよおすようになり退社」(26歳・IT)という男性のように、仕事を辞められればまだいいのだけれど、このご時世、そうもいかず……。どうか皆さま、ご自愛ください。
【医師の診断】
嫌いな人・苦手な人を拒絶する体勢が神経を蝕んでいく!?
「人は脳から嫌うもの。深層心理で嫌がると、脳から体に拒絶反応が表れるもの。とはいえ、治療法としてはカウンセリングのみ。過去の経験に基づいての嫌悪感・拒絶反応ですから、その人の何がどう嫌いなのかをひもとくんです」
【安岡博之氏】
南赤坂クリニック院長。
ストレスドック及び、癌の免疫力などの検査をどこよりも早く取り入れた総合人間ドックを提供。早期発見を超えた予防医療を専門とする
― マジで怖い[職場の奇病]症例集【2】 ―
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