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「何度もお尻を叩いていた」女子バスケ部員に“セクハラ指導”する男性顧問が学校を辞めるまで

 ニュースでたびたび目にするわいせつ行為などによって逮捕、または教育委員会から処分される教師。こうした状況に各都道府県では教職員向けのハラスメント研修を行い、児童・生徒向けに専用の相談窓口を設置したりしているが、実際には誰にも打ち明けることができず悩んでいるケースも多い。 「高校時代、女子バスケ部に所属していた女友達も部活の顧問からセクハラ被害に遭っていました」  自らの武勇伝をそう振り返るのはウェブ情報サービス会社に勤める大下秀典さん(仮名・32歳)。当時、冗談を飛ばし合う女友達がしばらくふさぎ込んでいる時期があったらしく、本人に声をかけても「大丈夫。何でもないから」と答えたらしいが、悩んでいる様子なのは明らかだった。
バスケ部

画像はイメージです

セクハラに悩む友人のため、顧問追放に向けて立ち上がった

「でも、彼女と同じ体育館で練習していた別の部活に所属する友人から女子バスケ部顧問のセクハラの噂を聞いたんです。で、本人に確認すると、ようやくその事実を認めました。それでなんとかして顧問を辞めさせようとほかの友達と作戦を練ることにしたんです」  ちなみに問題の顧問は、当時30代後半。女子生徒ばかりを贔屓し、多くの男子生徒が嫌いな教師に名前を挙げるほど。一方、女子たちの間でも「目つきがいやらしい」との噂が立つなど評判はすこぶる悪かったそうだ。 「ただ、いくら生徒たちが訴えたところで証言だけじゃ学校側がまともにとりあってくれるとは思いませんでした。女子バスケ部員の中でもそういう話が出たそうですが、もしスルーされたら逆恨みした顧問にもっと酷い目に遭わされると二の足を踏んでいたそうです。その話を聞いた友人のひとりが、『だったら言い逃れできない決定的な証拠を集めよう!』と言い出したんです。たまたまカメラやICレコーダーが家にあるというヤツがいたため、レコーダーは部室に置いてもらっていつでも録音できる状態にして、カメラは体育館には自由に出入りできたので遠目からこっそり撮影していました

映像と音声データを抑えることに成功

 実際に顧問は日頃から部員に対し、当時でも一発アウトなレベルのセクハラ発言を連発。さらに本人は指導やスキンシップのつもりなのか部員たちの身体に事あるごとに触れてきたため、作戦を聞いた女友達以外の女子バスケ部員たちもノリノリで証拠集めに協力してくれたという。 「現にカメラを回している間も顧問が後ろから女子部員たちの肩をガシッと掴んだり、何度もお尻を叩いていました。15年くらい前の機械なので画質はイマイチですけど、今ネット上にアップしたら間違いなく大炎上してたでしょうね。しかも、女子部員たちも撮影されていることを知っているので、わざと大げさに嫌がるオーバーリアクションを取ってくれました。音声データのほうもミーティングなどでちょいちょいヤバい発言があり、2か月ほどかけて数多くの証拠を集めることができました。しかも、部員のみんなは『○月△日、顧問から××をされた』などの記録を付けており、これらをまとめたものと合わせて教頭に直接手渡しました
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セクハラの証拠を渡された教頭の反応は…
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ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。

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