仕事

“ネカフェの個室”で恐怖体験「仮眠しよう」豹変した男性上司の愚行を会社に報告した結果…

「仮眠を取る」と言い出して…

 幸いにも、商談自体は滞りなく終えることができた。 「問題はその後でした。課長が『疲れたから仮眠を取る』と言い出したんです。課長は横になると、私にも同じく仮眠を取るよう勧めてきました。『私は大丈夫です』と伝えましたが、 『営業は休むことも大事』だと言われ、しぶしぶ横になりました……」  横になってまもなくすると、課長の手が伸びてきて……。 「身体をつかまれて、抱き寄せられたんです。『なんですか!?』と聞くと、『俺は抱き枕がないと眠れないんだ』といわれ……。もちろん『やめてください』と伝えたんですが、『仕事を教えてやってるんだから、これぐらいで文句を言うな!』と強い口調で言われました。耐えられなくなって、『お昼食べて来ます』と飛び起きて、部屋を出て行きました。1時間ほど経って課長と合流したんですが、ひどく冷たい態度でした。それまでの優しさはどこに行ってしまったのかという感じで」

「ハラスメントはなかった」と言われ、報復に

 それから課長の口調も乱暴になり、分かりやすいパワハラを受けるようになったという。 「それまでは優しく教えてくれていたのに、ロープレをしていても『下手クソ』とか『お前みたいなのから買う客なんていない』と罵られるようになりました」  たまりかねた浅野さんは人事に報告することにしたが……。 「調査にやたら時間がかかった挙句に、ハラスメントの事実確認はできなかったとの報告を受けました。本当に腹が立ちましたね。だから、ほうぼうで課長のセクハラを話したんです。そうしたら、だんだんと噂が広がって、課長から教えを受けたと語っていた先輩の女性が休職したんです。部下の男性社員もやる気をなくしたようで、課の数字もどんどん悪くなって、退職者も増えていきました。年度が変わる頃に、課長は降格させられた上にサポート部門に配置転換になりました」  その後、課長は退職することに。会社への信頼を無くしていた浅野さんも、それからしばらくして会社を辞めたという。 <TEXT/和泉太郎>
込み入った話や怖い体験談を収集しているサラリーマンライター。趣味はドキュメンタリー番組を観ることと仏像フィギュア集め
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