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「遅いんだよ、この野郎!」コンビニ店員を困らせる客の迷惑行動

 コンビニで長く働いてきた筆者。辞めていた時期もあるが、現在はライター業の傍ら、知り合いの店長に「人手不足」を理由に頼まれ、空いた時間だけ手伝う生活をしている。  筆者はベテランなので、客の失礼な態度や言葉遣いにいちいち腹を立てないし、どうにか処理できる。そんな筆者がいま思い出しても気分が悪くなってくるような信じられない客のエピソードを書いていきたい。最初に断っておくが、客のほとんどが良い人で、常識的な人ばかりだ。もちろん、土地柄や地域性にもよるのだが、筆者が手伝っている店舗の客層は良いほうだと思っている。そのなかでも一定の割合で“とんでもない客”がいる。

店内でタバコを吸う危険な万引き犯

コンビニ

※写真はイメージです。以下同

 先日、出勤してすぐに店長と奥さんが「これ見て、変なのが来た」と困り顔で防犯カメラの映像を見せてくれた。  早朝、労働者風の男が入ってきた。体は大きく、年齢は40歳前後だ。  この男は、手巻き寿司を手慣れた様子でポケットに入れた。奥さんはレジにいて気が付いていなかったが、店長がその行動をバックルームから見ていた。「やりやがった」と思ったが、この男からは危険な匂いがする。いきなりポケットから商品を取り出して会計するかもしれない。  店長は少し様子を見ることにしたが、この男はいったん出口に向かったと思ったら、今度はいきなり店内で電子タバコを吸い始めた。そこで店長が飛び出す。 「電子タバコは止めてくれ。それからポケットに入っているのを出せ」 「なにも盗ってないよ」 「さっさと出せ」  すると、ポケットから手巻き寿司をふたつ出した。この状態で110番したり、交番に警察を呼びにいくなりしたら、この男が暴れる可能性があると判断した店長が、語気を強めて言う。 「とにかく商品を返して帰ってくれ。それと、もう二度と来るな。これ以上何か言ったら警察を呼ぶぞ」  男は文句を言いながらも去っていった。写真を貼りだして出入り禁止にしたが、それ以降はいまのところ来ていない。  このような男は対応を間違えると店員に危害を加えたり、店内の物が壊される可能性があるので、店長は良い判断だったと思う。  

コーヒーマシンのボタンをわざと間違える客

コーヒーマシン 店にはコーヒーマシンが設置してあるが、コーヒーの注文が入ったら客にカップを渡す。ボタンを押すのは客なのだが、そこで“不正”が起きる。  常識的な人は、もしも間違えて押してしまったとしても店員に伝えてくれて、「差額を払います」となる。間違えてそのまま何も伝えない場合は困るが、どうしようもない。許せないのが、わざと違うボタンを押す人だ。  汚い見た目のオジサンが、いちばん安いコーヒーを購入したにもかかわらず、いちばん高いコーヒーのボタンを押した。  店長が一部始終を見ており、やんわりと「差額を払ってください」と伝えた。 「なんでだよ。押してないよ」 「いや、押してるじゃないの」 「間違えただけじゃないか。いいだろ、仕方ないじゃないか!」  なぜか逆ギレしている。 「もういいです。わかりました。警察を呼ぶので、ここで待っていてください」  店長がそう言うと、バツが悪くなったのか、急に大人しくなり、差額分を支払って去っていった。本当に困ったものだ。
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自分のうっかりミスを店員のせいに…
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