ヒザが痛いときに「履くべき/履いてはいけない」靴。ウォーキングシューズには“意外な盲点”が
こんにちは、シューフィッターこまつです。靴の設計、リペア、フィッティングの経験と知識を生かし、革靴からスニーカーまで、知られざる靴のイロハをみなさまにお伝えしていこうと思います。
春に向けてウォーキングを始めようと思った矢先に痛めるのがヒザです。せっかく一駅分歩こう、ジムに通おうとしても、ヒザをやられると元も子ありません。筆者自身、学生時代にやっていたスポーツの後遺症のせいで、左ヒザが変形しているので、ヒザと靴の関係には通暁しています。そこで今回は、ヒザの痛みから抜け出すための靴を紹介しましょう。落とし穴もあるので、ご注意ください。
以前は「HOKA ONEONE」(ホカ・オネオネ)という名称のせいで「ホカホカ」「ホネホネ」など間違われていましたが、最近はシンプルに「HOKA」に改名されました。ヒザを壊さないために生まれたメーカーなので、気合いの入れ方が違います。それは圧倒的クッションと安定性に顕在化しています。
ナイキなど他メーカーの厚底モデルは「走る」には適していますが、かかとから着地することは考慮されておらず、とにかくスピード重視でかえってヒザに負担がかかります。
HOKA「クリフトン9」はソールが厚いだけでなく、横から見るとゆりかごのように勝手に足が前に出てヒザや足首などの関節に負担をかけないつくりが特徴。整形外科では「ロッカーソール」と呼んでいますが、本来は骨折やリウマチなど関節が動きづらい患者のために考案された形状です。これが効く。
結果的にヒザに負担をかけないので、長距離も問題なく歩けます。結果的にヒザ周りから脚全体の筋肉も鍛えられるので、若返りの靴としても評判が高いです。
HOKAはデザインが派手だなぁと感じる方にはニューバランスの最先端シューズ「Fresh Foam Arishi v4 GTX」がお勧め。NBは「996」「574」などのクラシックタイプが話題になりますが、最先端技術の「フレッシュフォーム」シリーズはクッション性・安定性ともにHOKAと遜色ありません。安価なので個人的には「ジェネリックHOKA」といった位置づけ。デザインもシンプルを極め、スーツスタイルにもぎりぎり溶け込みます。
HOKAは原材料費と輸送費アップで年々値上がり幅が大きくなっているので、代替品を探している方は決まりでしょう。個人的に一番感覚が近く、バランスもあきらかにHOKAのクリフトンを意識しているので、目をつぶって試着するとまったくわからないほど。しかも「Arishi V4 GTX」は完全防水のゴアテックス仕様で1万4300円と破格です。耐候性と実用性を求めるなら、絶対的にお勧めです。
また、ゴアテックス製品はメッシュでまったく伸びないのですが、パーツがシンプルで指関節の邪魔をしないので、親指や小指が痛くなる方や、爪が当たって肉に食い込んでしまう方でも方でもストレスなく履けます。
ヒザを壊さないために生まれた靴「HOKA」
控え目デザインならニューバランスの最先端シューズ
1
2
こまつ(本名・佐藤靖青〈さとうせいしょう〉)。イギリスのノーサンプトンで靴を学び、20代で靴の設計、30代からリペアの世界へ。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。YouTube『シューフィッターこまつ 足と靴のスペシャリスト』。靴のブログを毎日書いてます。「毎日靴ブログ@こまつ」
記事一覧へ
記事一覧へ
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ