更新日:2024年02月14日 17:22
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ヒザが痛いときに「履くべき/履いてはいけない」靴。ウォーキングシューズには“意外な盲点”が

買ってはいけない要注意のウォーキングシューズ

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リーボック「レインウォーカーダッシュ DMX XW 4E」。1万5389円。写真は公式HPより

「ウォーキングシューズはどうなの?」と思われた方、意外にもウォーキングシューズの技術は進歩が絶望的に遅く、10年以上なにも変わっていないのでお勧めしません。最たる例がリーボックの「DMXシリーズ」。1万5389円と高価でありながら、安定感ゼロ。クッションだけならたしかに優秀ですが、すぐに転びます。 不安定になる理由は、ヒールとつまさきに連動された巨大なエアです。平らな地面に置くとエアが盛り上がっていて、靴を置いただけでぐらぐらします。履いて体重を乗せると平らになるはなるのですが、体重が軽い方や濡れた路面だと一気に滑ります。とくにマンホールの上で転倒したという話は何度も聞くので、ベストセラーといっても手を出さないほうが賢明です。 10数年続くモデルで男女ともにリピーターの多い靴ですが、オイルレザーなので底も意外にはがれやすく、改善する気配はなし。ターゲットがシニア寄りなので、保守的になっているのでしょう。 往々にして「ウォーキングシューズ」専門の靴はデザインも古臭く、惰性で販売している靴が目立ちます。なにより重い。かつ高価な割には修理もできないものがほとんどなので、よほど気に入ったモデルでもなければ買う理由にはなりません。ランニングシューズで十分です。

室内でのケアが盲点。裸足は危険

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シダス「ウチッパ」。1万2100円。写真は公式HPより

いくらクッションと安定感のある靴を履いていても、家に帰った瞬間に裸足になっては効果が半減します。知らない人が多いのですが、フローリングは思いのほか衝撃を伝えるので、とくにヒザを痛めている方は室内履きが必須です。 スリッパも履かないよりはマシですが、効果も限定的で音もうるさい。そこでフランスのインソールメーカー「シダス」がつくった日本限定モデルの「UTIPPA(ウチッパ)」です。単純にクッションが効くというわけではなく、姿勢を安定させることに特化しています。履けば背筋が自然にしゃきっとして、思わず足元を二度見してしまうほど。ヒザ・腰痛持ちの方ほど即効性があるので「これはいったい何?」と驚くはず。ここがクロックスなんかとはまったく異なる視点です。 足の安定と姿勢は直結します。姿勢が安定すると、当然関節の神経に触れることも激減するので、「わかる人にはわかる」室内履きなのです。部屋の中での作業時間が多い方にも欠かせません。夏用のリカバリーサンダルも悪くはないのですが、どちらかというと外を歩くものなので室内で使うとうるさい。ウチッパは完全室内用で、アッパーもマジックテープで開け閉めできるので簡単に調節が利きます。 仕事上どうしても革靴を履く必要がある人は、アシックスやミズノなどのスポーツメーカーが出している「ハイテク革靴」であればヒザへのダメージは最小限ですみます。オフの日は「①ヒザに特化したスニーカー②家のなかでは専用の室内履き」の2方向からケアするとより効果的。病院でせっかく炎症を止めても、歩くことで再発しては意味がありません。最先端技術の靴を履いてヒザをケアしましょう。十分に投資する価値はあると思います。
こまつ(本名・佐藤靖青〈さとうせいしょう〉)。イギリスのノーサンプトンで靴を学び、20代で靴の設計、30代からリペアの世界へ。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。YouTube『シューフィッターこまつ 足と靴のスペシャリスト』。靴のブログを毎日書いてます。「毎日靴ブログ@こまつ
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