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宮城県女川町では仮設住宅近くに積み上げられたガレキが大問題に

ガレキ処理2

仮設住宅につながる道の両脇には今でも高々とガレキの山が連なっている。住民はこの道を毎日通って生活しなければならない

「女川では、『生活圏のすぐ近くにガレキがある』というのが最大の問題。それが解決できなければ、町を立て直すことはできないんです」

 宮城県女川町の仮設住宅に暮らすAさんはこう語った。

 町の中心部では、廃墟となった町役場、土台だけ残して流失した女川駅などのガレキが放置され、生々しい傷跡が見える。 さらに山側に向かう道路の両脇には、5m以上はあるガレキの山が数百mにわたって続いている。女川のガレキの総量は約44万t。現地の処理施設で木くずなどの可燃性廃棄物を選別し、東京都に運び込まれて焼却処理される。今年3月中に女川から東京に運び込まれたガレキは約1415t。来年3月までに10tを搬出する計画となっている。ガレキの山の先には、仮設住宅が建てられた清水地区・新田地区がある。

「学校や職場に行くにも、ちょっとした用事を済ませるにもガレキの間を通らないとなりません」(女川町民Bさん)

 これから暖かくなるにつれ、ガレキの山から腐敗臭が漂い始めるという。

「ガレキには漁業や水産加工施設から出たものが大量に含まれます。猛烈に臭くて、息もできないような状態になります」(水産加工業を営むCさん)

セブン店内

昨年はガレキから蝿が大量発生。女川町内のコンビニのハエ取り紙は真っ黒に

 そして蝿や蚊などの虫が大量発生し、仮設住宅はもちろん町全体を襲う。

「ペットボトルに酢やみりんを入れておくと、数時間で真っ黒になるぐらい蝿がとれました」(「女川さいがいFM」スタッフ・Dさん)

 さらに、火災の危険性もつきまとう。

「昨年は仮置き場で火災が多発しました。鎮火に10時間を要する大火事になったケースもあります。微生物が発するガスや、金属と水の反応などで自然発火したようです」(同)

 山に囲まれた女川には、ほかの自治体とは違ってまとまった平地が少ない。そのため、野球場のグラウンドに仮設住宅を建てたり、高校の敷地内に郵便局や銀行、「仮設商店街」を建設するなど、土地のやりくりに苦心している。また、仮設住宅のある新田地区は津波の被害を受けた「浸水被害地」だが、十分な土地がないためそこに建てるしかなかったという。「一刻も早くガレキを処理してほしい」という住民の願いは切実だ。

「また今年も、あの臭いと虫に囲まれるのかと思うとぞっとします。ガレキの問題は、女川だけでは解決できない問題なんです」(Cさん)

女川町

土地がないため、県立女川高校のグラウンドに銀行や郵便局、仮設商店街などが建てられた


ガレキ処理

野球場の敷地内に建てられた仮設住宅

 <取材・文・撮影/SPA!ガレキ取材班 写真/女川さいがいFM>

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