福島県南相馬市が生んだ官能ラッパーを直撃「9割の女性の“潮”を吹かせられる!」vol.3
今、東京だけではなく全国のクラブシーンを、いろんな意味で荒らしまくっている一人のラッパーがいる。その名は「三島a.k.a.潮フェッショナル」。福島県南相馬市出身という「ど田舎」(本人談)から上京してきた彼は、都内のクラブを中心にライブを展開。次第にそのエネルギッシュなパフォーマンスが人気を呼び、昨年には1stアルバムを発表。今年12月10日には2ndアルバム『金と女と大東京』もリリースした。
そんなミュージシャンとしての実力もさることながら、彼が注目されるのにはもう一つの理由がある。彼には「潮フェッショナル」という別名があるのだ。実はこの男、「初めてセックスする女性でも9割は“潮”を吹かせることができる」と豪語するほどの、テクニシャンだという。
確かにその指技をくらった女性でもなければ、実際の実力はわからないのだが、彼のこれまでのサクセスストーリーを聞くと、その“快男子っぷり”が明らかになってくる。福島で生まれ、東京が育ててしまった怪物を、直撃インタビューした!
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◆俺は「エロラッパー」じゃなく「官能ラッパー」だ!
――音楽に話を戻しますと、ヒモ時代にラッパーへの道を歩み始めたわけですよね。
三島:はい。1年くらい自堕落な生活をしていたときにZeebraのライブを見て、失礼ながら「俺も同じ中卒だし、この人ができるんなら俺にもできるんじゃないか?」って思ったんすよ(笑)。
――そこからファーストアルバムまで10年かかったのは少し遅咲きな印象もあります。
三島:まず、単純になんのコネもなかったのがデカかったですね。東京出身だとラップやってたり先輩だったりDJやってたり、もしくはクラブで働いている知り合いとか、なにかしら繋がりがあって皆そこからシーンに入っていくんです。けど、俺の場合は当時付き合っていた彼女が東京の大学に入ったんでそこにゴロニャンしただけですから(笑)。どっからどうしたらいいのかわからないので、とりあえず歌詞を書いて、マイクを買って家で録音したのを周りの友達に聴かせたりしていたんですが、そんなことを繰り返していたら「友達の友達がDJやっているらしい」とか、だんだん繋がりができてきたんです。で、クラブとかにも出るようになって気付いたら10年くらい経っていた。ただ、その頃になるともっと 若い奴らとかもガンガン出てきていていたし、「俺、そろそろアルバム出さないとやばいだろ……」と思ってファーストアルバムを昨年、出したんですよ。
――ファーストアルバムを出してからは生活に変化は?
三島:単純に音楽で飯が食えるようになったのがデカかったですね。実はヒモだけじゃなくて、昨年3月までサラリーマンと兼業していたんですよ。でも、アルバムを出すのが決まったのが2月くらいで、その制作に集中したいのと、自分への追い込みもかねて退職しました。そのほうが腹が決まるかなと思ったんで。あとは変化という意味では、全国のクラブからお呼びがかかるようになりましたね。
――そういえば、ライブ前には一発ヌイてから本番に臨むとか……。
三島:よくご存じで(笑)。だってクラブって可愛い子が山ほどいるわけじゃないですか。そんなところでダンディーに振る舞おうと思ったら、一回ヌイておかないと、目が血走っちゃってとてもじゃないけどムリ(笑)。だから「ちょっとダンディーになるためには、ちょっとヌイておいたほうがいいなぁ」と(笑)。
――1st Album収録曲の「銀舎利」にもあったように、三島さんは上京者の心情を歌う曲を多く作っていますね。
三島:三島という人間の根底にあるのが「田舎者のなにくそ根性」なんですよ。自分が音楽やるうえで一番よかったなと思っているのが、東京出身じゃないってことなんです。しかも、福島県南相馬市っていう、中途半端な田舎じゃなくて本当のど田舎なんで。なんの娯楽もないし、今までモデルとかタレントになった人も輩出していないから、そういうのを目指そうという気持ちすら持てない街なんですよ。けど俺が有名になれば、「南相馬出身でも有名になれるんだ」って地元の若いコたちも思えるようになるんじゃないかなって。だから地元に錦を飾るじゃないですけど、地元の奴らに少しでも夢を持たせたいとは思っているんですよね。
――12月発売のセカンドアルバム『金と女と大東京』も、かなりど直球なタイトルです。
三島:実はアルバムタイトルが情報を出す直前まで決まってなかったんですよ。ほんとに寝ないでずっと考えていたんですけど、「俺、何のことを歌っているのかな?」って考え直した時に、金のことと女ことと東京のことだろうなって。だからそれをストレートに表そうって思って、このタイトルにしたんですよ。だから最初は「大丈夫かな?」って思っていた部分は正直あったんですけど、意外と反応がいいのでよかったですね。
――これまでの女性とのエピソードも曲に生かされていると?
三島:そうですね。今回のアルバムでも一つ生かせた例があって、秋田県の方言って、なんでも名称に「○○っこ」って語尾を付けるんです。例えば「メシっこ食うか?テレビっこ見るか?」とか。それで昔、秋田県出身の女性に「アナルを舐めてほしいんだけど」と言ったら、「アナルっこ舐めてほしいのか?」と言われたことがあって……その響きがメチャクチャ可愛かったんですよ!!! そのことを今回、歌詞にしたりしていますね(笑)。ぜひ、聴いていただきたいと思います(笑)
――その話を聞くとエロい歌ばっかりと思われそうですが、実際には一曲しかエロい歌詞の歌は収録されていないんですよね。
三島:そうなんですよ。ファーストアルバムも今回も、エロい歌は一曲だけなんですが、それがインパクトありすぎて、いつの間にか「エロ・ラッパー」だと思われちゃって。
――実際には前作を凌ぐほど相当カッコいいアルバムに仕上がっていますよね。
三島:ありがとうございます。ただ、エロいことは大好きだし、潮フェッショナルを謳っている以上はエロいこともちゃんと表現していこうと思っていますけどね。俺のなかではこれはシモネタではなくて、どちらかというと、文学だと思っているんですよ。歌詞に“オチ”があって、ちゃんと小話として聞けるものじゃないと作品にはならないですから。だからシモネタじゃなくて官能小説的な扱いにしてほしいし、「エロ・ラッパー」ではなく「官能ラッパー」と呼んでほしい(笑)。
――エロと田舎者根性が、三島さんの根底にあるわけですね。
三島:最後にちょっと言わせてもらいますと、俺はやっぱり福島県南相馬市という場所の出身なので、原発の一件で地元の友達は今でも散り散りで避難生活を送っていたりするんですよ。だからそういう奴らの“光”って言うか、俺が少しでも有名になって「あんな地元のロクデナシでも頑張ってんだな」と思ってほしいんですよ。もしくはそういう友達がキャバクラにでも行ったときに、「俺、あの三島と同級生だったんだぜ」「えーすごいね!」って、ちょっとでもそいつがチヤホヤされたら嬉しいなって。自分の欲求だけじゃなくて、やっぱり「南相馬を背負っている」という一番デカい気持ちも根底にありますから。だから読者の皆さんにも、こういう真面目な思いで不真面目なことを語っているラッパーが いることを、覚えといて欲しいっすね(笑)。
●三島a.k.a.潮フェッショナル
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<取材・文/日刊SPA!取材班 撮影/難波雄史(本誌)>
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