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“18年間ひきこもる兄”を溺愛する母に、「自分が亡くなった後、面倒を見て」と頼まれた結果――大反響トップ10

ひきこもり支援のNPOや自治体への相談を提案するも…

 何度かアルバイトを始めたことはあったがどれもすぐに辞めてしまい、働いていた期間を全部合わせても3年に満たない。それも最後にアルバイトしたのは10年近く前の話で、それからは引きこもっているだけだ。 「最後に会った8年前の時点で、スリムだった身体も100キロ前後の肥満体型になり、髪もボサボサで髭も伸び放題。正直怖かったですし、子供を兄に近づけさせたくないと思い、実家に帰るのをやめたんです」  両親に自分たちの孫である子供を会わせるのを拒んだわけではないため、彼女の家に来る分には問題なかったが母親は「お兄ちゃんが心配だから……」と泊まらずに毎回日帰り。ひきこもり支援を行うNPOや自治体の専門窓口に相談してみることを何度も勧めたが頑なに拒否したという。

「両親が亡くなった後」を託される…

「兄は買い物や食事で外に出ることはあるようですが、ひきこもってからは身内の冠婚葬祭には一度も出ていません。最初はいろんな親戚から兄のことを聞かれましたが、両親も私はそのたびに話を濁していたので今では誰も兄については触れてきません。ひきこもってることはみんな知ってるみたいですけど」  母親に言っても兄に関することは何ひとつ聞き入れてくれず、「2人きりの兄妹でも今後は積極的に関わるつもりはありません。私はすでに夫の家に嫁いだ身ですから」とはっきりもの申した暁美さん。だが、そんな気持ちを知ってか知らずか母親は彼女に“とんでもないお願い”をしてきたそうだ。 「『私とお父さんにもしものことがあったら……』と亡くなった後、兄の面倒を見るように頼まれました。でも、申し訳ないけど、それはできないってハッキリと断ったんです。すると、普段怒ることのない母が『それでも家族なの!』って声を荒げ、私を責めましたが考えを変えるつもりはありませんでした。こんな言い方もアレですが、せめて普通のひきこもりだったらこうは思わなかったはずです。実家に行っても挨拶することもなければ、赤ん坊だった息子にあんな態度を取った人間の世話をする気にはとてもじゃないですがなれません」
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相続放棄しても兄と関わりたくはない
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ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。

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