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「惚れてまうやろー!」で一世を風靡したWエンジン・えとう窓口の今。故郷の大分に移住し、収入は3倍に

“大分ならでは”のローカルルールに苦戦

――テレビについて、東京と大分で、違いを感じることはありますか? えとう窓口:今は地方局に限らず、どこも予算を獲得するのが厳しい時代です。ロケ番組の出演料に関しては、東京も大分もそんなに大きな差はない印象ですね。 局にとっては、移住してもらえば交通費、宿泊費の予算削減になりますよね。実際、移住後に「隔週レギュラー」だった番組が「毎週レギュラー」になる、ありがたい変化はありました。 ただ、東京とは違って、大分のメディアは「局のカラー」を重視する傾向にあるみたいです。一局でタレントを囲い込むことで、局や番組の付加価値を上げていくという考え方が根強くて、苦戦する部分もなくはないですね。

収入は移住後して「3倍」に

――収入にはどのような変化があったのでしょうか? えとう窓口:コンビで『爆笑レッドカーペット」』(フジテレビ系)などに出演して、ピークで稼いでいた時の年収が「100」だとします。きつい時は「20」まで落ちたんですけど、移住後はコロナが落ち着いたこともあって、なんとか「60」まで盛り返しましたよ。 ――地方移住したからといって、必ず成功するほど甘くはないと思うのですが、どういった時に地方ならではのシビアさを感じられますか? えとう窓口:僕は、移住前から「大分愛」を全面に出して、少しでも宣伝になるようにという想いはありました。それは今も昔も変わっていないと思ってはいるのですが、やはり「大分愛が本気かどうか?」「ビジネス臭がするか?」などは、みなさんシビアに見ていると感じます。 だからこそ逆に、今まで避けて断り続けていたYouTubeチャンネルも、大分移住を機にしっかり始めたんです。そういった一つ一つの行動を示し続けていくというのが、やはり地元の方の信頼を得るために必要なんだと思います。 あとは大分の人には「オン・オフ」の概念がなく、テレビに出ている人は普段もテレビに出ているキャラのままという認識があるようです。例えばオフの時に、ちょっとそっけなく対応してしまったら、「あの人は裏表がある!」と、すぐにそれが広まってしまう。
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失敗する地方移住芸人の特徴は…
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歌手・音楽家・仏像オタクニスト・ライター。「イデア」でUSEN1位を獲得。初著『生きるのが苦しいなら』(キラジェンヌ株式)は紀伊國屋総合ランキング3位を獲得。日刊ゲンダイ、日刊SPA!などで執筆も行い、自身もタレントとして幅広く活動している
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