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「惚れてまうやろー!」で一世を風靡したWエンジン・えとう窓口の今。故郷の大分に移住し、収入は3倍に

失敗する地方移住芸人の特徴は…

えとう窓口:僕は元々、オン・オフもそんなにないですし、いい意味で皆さんによく「えとう君は、本当にテレビの時と(キャラが)変わらないね」と言っていただくので、ラッキーなんですけど。とはいえ、カメラが回っていない時の人間性こそしっかり見られているなと感じます。テレビに出ているキャラのままで街も歩いてほしいし、私たちと同じように生きていてほしいという想いを抱いている方が、東京に比べると多いかもしれないですね。 狭いコミュニティの中で仕事をしている分、求められる関係性もより濃密なものになりますし、「仕事終わったんで、飲み会行かずに帰ります」なんてことをしていたら、まず厳しいでしょうね。一つの番組に対するスタッフの数も少なく、ロケのアポ取りなどもタレント本人がするぐらいなので、与えられた役割をするだけではなかなか仕事は巡ってこないと思います。 ――福岡では仲の良い波田陽区さんも活躍されていますね。反対に、どういった芸人さんが地方移住に失敗してしまうのでしょう。 えとう窓口:波田陽区くんは、事務所も同じですし、移住前に「地方にはお仕事あります?」と相談を受けたこともありますね。その際に伝えたのは「ちゃんと飲みに行ったり、スタッフや一般の人とも分け隔てなくちゃんとコミュニケーションをとらないと、まず厳しいよ」ということ。「自分は東京で売れた芸人だ!」と偉そうに振る舞ってしまって、1年ぐらいで仕事がゼロになった芸人も見ています。地方だと舐めて、ネームバリューだけで勝負したら確実に痛い目に合います。 特に、一対一の人間同士の信頼関係で成り立っている所もあります。「どんな人にも好かれる人柄の良さ」や「たとえ出身地でなくても、その土地を心から愛していると感じられるか?」というポイントを押さえられるかが、芸人が地方に移住した際に成功できるかどうかの第一歩じゃないかなあと、僕はそう感じていますね。 ===== 相方のチャンカワイ氏が街ぶらロケや食レポで活躍する一方で、えとう窓口氏も大分県民に愛される存在になっていた。物理的な距離は離れていても、解散はしないーー多様化が進むなか、彼らは“新たなコンビ像”を提示しているのではないか。今後のさらなる活躍に期待したい。 <取材・文/SALLiA>
歌手・音楽家・仏像オタクニスト・ライター。「イデア」でUSEN1位を獲得。初著『生きるのが苦しいなら』(キラジェンヌ株式)は紀伊國屋総合ランキング3位を獲得。日刊ゲンダイ、日刊SPA!などで執筆も行い、自身もタレントとして幅広く活動している
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