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なぜ「車椅子ユーザー」の炎上が頻繁に起こるのか。日本と海外で“決定的に違う”こと

車椅子ユーザーのSNSによる主張が、度々炎上している。 2024年3月、イオンシネマの映画館で介助を断られた車椅子インフルエンサーがSNS上で、やり場のない想いを吐露したことをきっかけに、炎上へと発展したことは記憶に新しい。 過去にも、車椅子ユーザーが無人駅での車椅子対応を「JRに拒否された」という趣旨のブログを投稿し炎上した例もある。また、格安航空会社ピーチ・アビエーションの台湾行きの便を利用しようとしたところ、電動車椅子のバッテリーが目視できないこと理由に搭乗を断られ、当該女性が「差別的な対応だ」と主張し、物議を醸すなど枚挙に暇がない。 当人からすれば問題提起をしたつもりでも、“非車いすユーザー”が発端となり、炎上してしまうのは日本特有の文化なのだろうか。「プロ車いすランナー」として2000年シドニーパラリンピック800mで銀メダル、 2004年アテネパラリンピック800mで銅メダルを獲得した廣道純氏に話を聞いた。
廣道純氏

廣道純氏

車椅子ユーザーのSNSでの主張は、なぜ炎上しやすいのか?

廣道さん曰く、SNSで声を上げる時には、「ある程度の配慮」が求められるそうだ。 「一括りに介助といっても、先天性か後天性か、あるいは『何が出来て、何が出来ないか?』という残存機能の違いもあるんです。どんな介助を求めたいかは、『実は一人ひとり違う』ということを知るのが前提だと思います。同じ部位を損傷していても、病院ごとのリハビリの違いによっても残存機能に違いは出てきますし、介助する相手がどれだけ知識を持っているかによっても、介助の仕方は変わってきます。そんななかで、全てを察して手助けしてくれというのは、流石に無理があるのではないでしょうか。車椅子ユーザー側も、『何を手伝ってほしいか』を、明確に意思表示することが大切だと思います

「声をあげる側」にも配慮が必要

過去に炎上した車椅子ユーザーの多くは、健常者から「過剰要求だ」と批判を浴びる結果となっている。これにより、車椅子ユーザーと健常者の対立構造を深めてしまったともいえる。そんな無益な炎上を生む問題点について、廣道さんはこう考えを述べた。 「不満に思うなら、まず相手の企業に伝え、話し合いに応じてくれなかった時に初めて、SNSに主張するべきだと思いました。今まで声を上げなければ、車椅子ユーザーに対する社会のシステムやルールが変わらなかった背景もありますが、まずは当事者同士の話し合いがあってこそ。 例えば、お店で注文した料理に髪の毛入ってたという時に、大声で怒る人と、他の人に気づかれないようにこっそり店員さんに伝える人がいたら、前者に周りが不快感を感じてしまうのは仕方がないでしょう。過剰にそのお店を下げる必要も、それを広める必要もない。車椅子ユーザーであるなし関係なく、声をあげる側にもやはり配慮は必要だと思います
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日本では「車椅子の人=何も出来ない人」と捉えられる
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歌手・音楽家・仏像オタクニスト・ライター。「イデア」でUSEN1位を獲得。初著『生きるのが苦しいなら』(キラジェンヌ株式)は紀伊國屋総合ランキング3位を獲得。日刊ゲンダイ、日刊SPA!などで執筆も行い、自身もタレントとして幅広く活動している
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