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「博多ラーメンは“カタ”で頼め」定説に異変? 人気店が「普通」「やわ」を推奨する理由とは

カタ麺を推していない店も一定数存在する

同店以外の博多ラーメン店も“非カタ”を推奨しているのか。前出の稲田氏は「それぞれのお店によってこだわりは様々であるため、一概には言いにくく、あくまで推測ではある」としつつ、「麺は小麦粉で作られていることが多いので、『しっかり中まで火の通ったものを召し上がっていただいきたい』と考えていらっしゃる店主さんも多いのではと思っています」という意見を述べてくれた。 事実、同じく福岡に店を構える人気店「魁龍」では、注文時に「ずんだれ」と呼ばれる超ヤワ麺を勧められるし、店内にはカタ麺を否定するような掲示まである。 また、よく探せば“非カタ”を推すラーメン店主の声はネット上でも散見される。さらに、ある調査によると、福岡のラーメン店の6割以上が「普通」をおすすめとしており、「バリカタ」を勧めている店舗は1軒もなかったという。

「普通」も「やわ」も食べたことがなかった筆者

博多 一幸舎

福岡出身の筆者がはじめて「普通」で食べてみた

福岡で生まれ育った筆者だが、当たり前のように“カタめ以上”で注文してきた。ラーメン店でアルバイトをしていた時期もあり、賄いを含めれば数千杯のカタ麺を食べてきたことになる。しかし、「普通」「やわ」に関しては恥ずかしながら未体験。ただ、今回の取材を行った以上、食べないわけにはいかない。博多駅前にある「博多 一幸舎 総本店」で実食してみることにした。 まずは、普通で注文。見た目としては大きな差はない。ただ、一口目からその違いは鮮烈だった。スープの絡み方が全く違う。濃厚なスープをたっぷりまとった麺が口の中に入ってくる感覚は、カタとは段違い。おかげで、普段より強い豚骨みを鮮烈に感じられた。 替え玉に「やわ」を注文したが、ここでミスが起きる。これまでは最初の麺を食べ終わる2口程度前で注文すれば、タイミングよく替え玉が提供されていたわけだ。しかし、「やわ」は茹で時間が長いということをすっかり失念しており、2分近く手持ち無沙汰の時間が発生してしまった。 提供された替え玉をスープへ投入し混ぜ、麺を持ち上げるーーこれまで博多ラーメンでは体感したことのない、ずっしりとした重さがあった。
博多 一幸舎

「やわ」の替え玉。小麦の風味を味わいたいならばこれ一択だろう

口に運んでみると、「普通」に比べても段違いのもっちり感だ。麺を咀嚼してその食感を楽しんだ。同時に感じられたのが、小麦の風味。濃厚なスープの味に負けず、口に広がる香ばしさは美味の一言。 今回の体験を経て、これからは「普通」と「やわ」を注文する機会が増えることは間違いない。
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1度くらいは試しても良いのでは?
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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