仕事

バイト先の居酒屋で“褒められることが生きがい”の女子大生。幼なじみに「宗教みたいな店」と指摘され…

幼なじみに「変な宗教みたいな店」と指摘され…

 就活のシーズンになり、あくせくする大学の同期を横目に、山瀬さんは相も変わらずバイトに精を出していた。 「地元に帰った時に、幼なじみに進路の話をしたところ、『変な宗教みたいな店だね。やめたほうがいいよ』とものすごい嫌な顔で言われたんです。最初は店を馬鹿にされて腹が立ったものの、丁寧に諭されるうちにだんだんと“洗脳”が解けていきました。無償で働くことを評価するような会社ってまともなのかなと、疑問に思うようになったんです」  やっと正気に戻ったところで、進路に対する不安と直面する事態に。だが、そのころには新卒の就活期間が半分以上が過ぎていた。 「めちゃくちゃ焦りましたね。周りはすでに面接にも慣れていたので。負けないようにとにかく数で勝負って感じでした。それで、何とか機械メーカーから駆け込みで内定をもらえて。そこからは全力で単位を取ることに集中しました」  その結果、何とかギリギリで卒業できた山瀬さん。バイトの仲間との関係はどうなったのか。 「就活中はほとんどバイトに行ってなかったんですが、メンバーとはだいぶ距離ができていましたね。バイト上がりの社員から『何でうちに来ないの? 裏切り者が!』とキレられたりもして……。でも、店に就職した先輩たちは契約社員の扱いで、お給料もほとんどバイトと変わらないか、むしろ手取りだと下がるという話も聞いていました。以前の自分もそうでしたが、それでもお店のためにプライベートも全部捧げていて不憫でした」  運よく途中で我に返ることができたが、「もし気づかないままだったしたらと思うとゾッとする」とするとのことだった。 <TEXT/和泉太郎>
込み入った話や怖い体験談を収集しているサラリーマンライター。趣味はドキュメンタリー番組を観ることと仏像フィギュア集め
1
2
おすすめ記事
ハッシュタグ