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有名ヤンキーの三男坊が“ヤンキーの家庭教師”になった結果「テストの平均点が30点から…」

 この春、26年ぶりとなる続編の放送が決定し、大きな話題となったドラマ『GTO』。反町隆史演じる主人公の鬼塚英吉は、元不良の教師という役柄だが、程度の差こそあるが学生時代にヤンチャだったという人は多いはずだ。  コンピューター関連の外資系企業で働く遠藤雄大さん(仮名・34歳)は、3人兄弟の末っ子で兄2人は地元では有名な不良。「兄たちに比べれば全然普通でした(笑)」と話すが学生時代の友人にはヤンチャ系が多く、彼の当時の写真も茶髪にピアス姿。いわゆる典型的な真面目キャラではなかったようだ。  ただし、勉強はそこそこできたらしく、現役で地方国立大に合格。大学在学中は家庭教師のアルバイトをしていたが、最初に担当したのはちょっとワケありの中学生だったようだ。
女子学生

画像はイメージです

最初の生徒は、金髪のヤンキー中学生

「まだあどけなさが残っていましたが、いかにもヤンチャしてますって雰囲気でしたね。しかも、どう見ても純日本人って顔立ちなのに金髪。第一声が『ロン毛にピアスって家庭教師の仕事舐めてるだろ』だったので、『金髪の中学生に言われたかねーよ』って答え、それで一気に打ち解けました(笑)」  おまけに生徒の家までは400㏄のバイクで行ったそうで、2階の部屋の窓から少年が食い入るように見ていたとか。どう見ても真面目そうには見えない様子にシンパシーを感じたのか、部屋で2人きりになるとしばらく質問攻めに遭ったという。 「単車に乗せろってうるさかったため、ご両親の許可と次のテストで前回の平均点を上回ること、この2つを条件に認めました。そしたらその日の授業後にご両親はあっさりOKを出しちゃったんです。そもそも自分は家庭教師の派遣会社に登録する際、自分が育った環境を踏まえて『生徒が不良でも大丈夫です!』ってアピールしたんです。どうやらそれが派遣される決め手になったらしく、後で母親から『先生ならウチの子でも大丈夫だと思ったので』って。まあ、おかげで教育熱心な家庭の生徒を教えるよりはやりやすかったですけどね」  生徒となった少年は大の勉強嫌いで、テストの平均点も毎回30点前後。それでも伸びしろは大きいと前向きに捉えたそうだ。 「ただ、パソコンを使ってクイズ形式にしたり、英語は海外ドラマの動画を使ったりして興味を少しでも持ってくれるような工夫はしました。それと授業の時間とは別に全然関係ない話も結構してましたね。ここだけの話、街で絡まれた時の対処法やハッタリの利かせ方といったことも経験則などを交えて教えてました(笑)」

直接契約に切り替えてもらい時給アップ!

 ちなみに生徒の父親は小さな土建会社を経営し、中高生の頃は短ラン・ボンタンと呼ばれる変形学生服を着ていた元ヤン。そのため、金髪にした息子にも寛容で、遠藤さんともウマが合ったそうだ。 「授業が終わってすぐ帰ることははなかったですね。大体いつも食事をご馳走になって、そのままご両親と一緒にお酒を飲むことも。けど、バイクじゃ帰れないから『今日は泊まっていきなさい!』なんてこと月に1回はありました。それに『家庭教師センターを通したら先生の取り分が減るだろう』って途中で退会し、直接契約に切り替えてくれたんです。おかげで1コマ(90分)2000円だったのが3000円に増えました。本当はそういうことをしちゃマズいのですが、この時はその提案をありがたく受けました」
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クチコミによって生徒が3人に増える
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ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。

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