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「研修所で素っ裸に」メガバンク新入社員のトンデモ行動。近隣住民から大クレームも

③三種の神器である「行章、印鑑、行員証」

行員証銀行で物をなくすことは、ご法度とされている。電車の中に個人情報を置き忘れたり、出張先のタクシーで重要書類を紛失してしまうと、厳重に処罰される。 名札である「行章」は普段は使うことはないため、机の鍵を収納するキーボックスにしまう者が多い。紛失のリスクを避けるためだ。しかし印鑑は、そうはいかない。 銀行では、稟議書や回覧物に、自分の名前が書かれたシャチハタ印を押す。印鑑がないと仕事にならないが、小さいし頻繁に持ち歩くので失くしやすい。先輩は「支店長代理に昇格すると、新しい印鑑をもらえる。サイズが少し大きくなるからな。印鑑を2つ持つことができるから、それまでは頑張って失くすなよ」と語っていた。 しかし銀行員生活を通じて最も失くしてはならないものは、社員証である「行員証」だ。印鑑のように新しく発行されることはなく、退職まで使わなくはならない。かつて、それを紛失した新人がいた。

配属2日目で行員証を紛失

「行章、印鑑、行員証」という三種の神器のうち、最も神格化されている「行員証」。社員通用口から店に出入りしたり、異動明細を見るためのパソコンを操作したり、金庫に入ったりする時には、必ず行員証が必要になる。ログの履歴を残すためだ。 こんなことがあった。支店配属の初日に飲みに行った新入行員が、飲み会の帰りにクラブへ行き、行員証の入ったカバンを紛失した。上司は激怒し、人事部に反省文を提出することになった。その反省文も、何度も書き直しを命じられたという。

会社や上司からの評価は散々だが、大化けすることも

今回ご紹介した二つ目と三つ目のエピソードを引き起こした新人は、同一人物である。彼はビットコインが出始めた頃に投資を始めて数億円を稼ぎ、早々に銀行を辞めていった。銀行ではトンデモない新人として悪名高かったが、今や銀行員が一生かかっても稼げない程のお金を持っていることになる。トンデモない新入社員たちだが、いつか大化けする日が来るのかもしれない。 <文/綾部まと>
ライター、作家。主に金融や恋愛について執筆。メガバンク法人営業・経済メディアで働いた経験から、金融女子の観点で記事を寄稿。趣味はサウナ。X(旧Twitter):@yel_ranunculus、note:@happymother
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