仕事

電通を退職して海外起業した40代女性。夫の転勤を機にタイへ、居場所のない日々から“運命の出会い”を果たすまで

バンコク都心の高層ビル内のオフィスを訪ねると…

SATOKOさん

宝石が綺麗に見える自然光にこだわった、バンコク都心のオフィスにて

 取材の日、バンコク都心の高層ビル内にあるSATOKOさんのオフィスを訪ねると、秘書のタイ人女性が「こんにちは」と、堪能な日本語で迎えてくれた。シックな黒のワンピースを纏ったSATOKOさんは、「毎日ドタバタですが、今のほうが自分らしくて楽なんです」と軽やかに笑う。  彼女が手掛ける事業はふたつ。経営上のリスクヘッジを兼ね、電通時代の知見を活かしたBtoBの「マーケティングコンサル事業」。そして、BtoCの「宝石・宝飾事業」だ。
SATOKOさん

大小様々なダイアモンドを色・透明度・カットなど細かく鑑別し、レポートを作成する様子

「宝石・宝飾事業」では、大きく分けて2種類の依頼を受けている。石の買い付けから鑑定、カウンセリング、ディレクションまでのジュエリー制作を一気通貫で請け負うオーダーメイドと、思い出のリングやネックレスのリモデルだ。 「お客様の国籍は日本人を始め、アジアや欧州など様々です。最初のヒアリングでは、ご要望とともに核となる信念や価値観について深くうかがい、その方の最も美しい部分に共鳴する石をお選びしています」

ジュエリーで人生に光を

SATOKOさん

リモデルの依頼で制作したサファイアリング。3代にわたり受け継がれた石をリポリッシュして蘇らせた

 夫の駐在が終わったらどうするのか。「今はとにかく会社の成長に全力を注いで、みんなの幸せに繋がるサイクルを築きたい」と話す。 「今後の展望は?」と尋ねると、力強い眼差しで語ってくれた。 「ご縁をいただいた方の人生を最大限に輝かせるジュエリー作りに魂を燃やしていきます。身にまとうだけで満たされ、自分らしく輝けるもの。さらにその方の大切な人にまで愛と光の輪が広がっていくようなジュエリーを、人生を賭けて作っていきます」  彼女の新たなステージは、幕を開けたばかりだ。 <TEXT/日向みく>
バンコク在住ライター。岡山出身。キャリアやビジネスに関する取材・インタビュー記事をメインに執筆中。オンラインで日本の著名人取材も行う。世界41か国に訪問歴がある旅好きです。 Twitter:@pippirotta39
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