恋愛・結婚

「ラブホ行こうね」80代男性の“安キャバ”常連客がセクハラ発言を続ける意外なワケ

セクハラ発言の真意

   “アリ”の同伴が成功した例があったのかどうか以前に、80歳のおじいちゃんにできるのだろうか、と酔っぱらった頭でぼんやりと考えていました。80歳と言えば、私の祖父の年代です。  すると彼は「パパはもうコッチは元気がないからアレなんだけど、ペロペロするのは好きなんだ」とおっしゃいました。知人の女性が「ああいう人たちはゴールがないからしつこくて大変なのよね〜」と言っていたのを思い出しました。 「パパはそうしているのが楽しいの?」と、尋ねると彼は「楽しい」とおっしゃいました。したい、というよりは「させてくれたら指名するよ」と口にすることで「俺は男なんだ」と実感できる。それが嬉しいともおっしゃっていました。ようやく納得です。  ふとした瞬間に、自身の加齢を感じて寂しくなったり、自信がなくなったりするのは私も同じです。35歳の私でさえそう感じるのだから、80歳の男性が弱っていく自分を実感する瞬間は、きっともっと辛いものなのだろうなと想像しました。  彼が「させてくれたら指名するよ」「あれナシの同伴はあり得ない」とおっしゃるのは、したいからではなく、オスっぽい自分を忘れたくないから。だとしたら、それはゴールのない旅路みたいなものだな、と思いました。  飲み屋さんの楽しみ方は様々です。無理やり触る、髪の毛を引っ張るなどのルール違反は言語道断ですが、「させてくれたら指名するよ」「あれナシの同伴はあり得ない」程度のことは許してあげたい。それで彼が気持ちよく眠れるなら「今日もいいことしたな〜」と私は思えます。冥土の土産だよくらいの気持ちで多少のリップサービスもしてあげます。  ただ、「いやん素敵!抱いて!」とは絶対に思わないですけどねー……。

人生の節目には切り替えも必要

みずえちゃん

現在は銀座ホステス兼ライターとして活動中のみずえちゃん

 今回は「自称テクニシャンおじいさん」との思い出を振り返ってみました。誰だって生涯現役でいたいものなのかもしれません。しかし、人の魅力は精力的であることだけなのでしょうか。  私のお客様に、脳梗塞の後遺症で言葉が不自由な方がいらっしゃいました。「今日は……」彼がぽつりぽつりと言葉を紡いで話してくれるのを、根気よく聞いているのが好きでした。彼の疎開先が私の生まれ故郷と同じく雪国だったこともあり、よく2人で豪雪地帯で過ごした子どもの頃の話をしたのを思い出します。2人で、とは言っても話しているのはほとんど私1人でしたが。  メールではとてもおしゃべりで、読んだ本の話などをしてくれました。読んだ時期によって同じ本でも感じ方が違う、という話になると「それは君が成長している証」と、彼はおっしゃいました。人生の先輩からは学ぶことがたくさんありますね。  今でも彼のことが大好きです。男女の絆は色っぽいことを介してのみ築かれるものじゃない、とつくづく思います。エロボケじいさんも、精力的でオスっぽい男性から、尊敬される穏やかな男性に、どこかでシフトチェンジができるといいかもしれないですね。  私ですか?まだ35歳なので抗います。アンチエイジングのためにまだまだ稼がなくちゃいけないのでよろしくお願いします。 <文/みずえちゃん>
1989年生まれ。新潟県長岡市出身。関西外国語大学卒業後、大阪市内の広告代理店に勤務する傍ら、キャバ嬢デビュー。結婚、離婚、地方の激安キャバクラを経て、現在は銀座ホステスとライターを兼業。X(旧Twitter):@mizuechan1989
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