更新日:2024年08月22日 13:50
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「こんなに大きな人は初めて見た」“身長203cmの日本人男性”から見える世界とは?両親の身長も教えてもらった

「両親の身長」をよく聞かれる

とはいえ、203センチの身長があったからこその出会いもあったという。 「とにかく人に声をかけられます。『何センチあるの?』『ご両親も大きいの?』『スポーツはやっていたの?』というのが頻出の質問です」 確かにどうしても尋ねたくなる内容だ。ちなみに、父は170センチで母は160センチといたって普通の身長だ。そして、バスケットボールもバレーボールもやったことがないという。 「身長をあまりに聞かれるので、『いくつ?』と聞かれると、年齢を答えたらいいのか、身長を答えたらいいのか戸惑います(笑)。でも、たまに奢ってもらえることもありますし、知らない人と身長きっかけで話ができるのは楽しいです」 声をかけられるタイミングは、岸さんの体調や機嫌に関わらずやってくる。愛想のいい対応ができなさそうな時にはヘッドフォンをして歩き、あえて声をかけられないようにしているという。しかし、なかには不意打ちを受けることも。 「勤務先の就活生向け説明会に登壇していた時期がありました。最後に『質問がある人はいますか?』と投げかけたら、女子学生が真剣な顔で『身長は何センチですか?』と聞いてきて。さすがにビックリしましたね(笑)。大阪での説明会で僕も関西出身なので『今それ聞くんかーい』とツッコミました」

海外で声を掛けられることも多い

岸コウジロウさん

オーストラリアの修学旅行生に囲まれ記念撮影に応じる一幕

岸さんがある地方に出かけた際、80歳を超えるようなおじいさんに「こんなに大きな人は初めて見た」と笑顔で興奮気味に話しかけられた経験もある。特異な高身長は人を笑顔にすることもできるのだ。そこから岸さんは世界平和を画策しているというが、その発想のきっかけにはあるエピソードがあった。 「ある日、街を歩いていたらカップルが喧嘩をしていたんです。でも、通りかかった僕を見て『でかくない?』『めちゃでかい!』と一転して仲睦まじい様子になって。大袈裟かもしれませんが、『これこそが高身長を持った者の使命なのでは?』なんて思いました」 例えば、子供を「たかいたかい」した時には、他の人では到底届かないほど高く持ち上げられるので、子供はもちろん周囲の大人の顔もほころぶそうだ。 「お金を稼げるわけでもありませんし、芸があるわけでもないのですが、人を少しだけ楽しませる“身近なエンターテイメント”として、世界平和に貢献したいと思っています。ちなみに、イタリアやアメリカ、台湾など海外に行った際に『一緒に写真を撮ってくれ』と何度も声をかけられました。2メートルの人間に驚くのは万国共通なようです」 最後のエピソードから「身長に国境はない」ことがうかがい知れた。本来であれば威圧感を纏いそうなものの、多くの人が親しみを持って接してくるのは、岸さんの穏やかな人柄が起因しているのだろう。いつの日か、彼が抱く夢が叶うことを願ってやまない。 <取材・文/Mr.tsubaking>
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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