年収950万円から激減、35歳で出世して違う部署に…異動から始まった50代の悲劇――大反響トップ5・年収が激減した人たちの後悔
あのときの決断で年収が激減してしまった人たち。これまで取材した記事の中から、そんな彼らの後悔の声を集めてみた。今回は反響の大きかった2019年の記事をランキング形式で発表する。第3位の記事はこちら!(初公開2019年3月28日 記事は取材時の状況です)
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「ギリギリ逃げ切れるはず!」。そんな楽観的な見方をしがちな50代だが、少し目を凝らせば、すぐそこは阿鼻叫喚の地獄絵図。30代で年収600万円オーバーするも、順風満帆な人生から一転して負け組への転落。それは明日の我が身なのだ。彼らに一体何が起こったのか? その一部始終を明らかにする!
年収950万円→39歳で転落→年収400万円
中谷雄一さん(仮名・53歳・既婚)インフラ企業
大学卒業後、大手インフラ企業に就職した中谷さんは、この時点では誰もが羨む「勝ち組」だ。しかし、30代のキャリア選択から不穏な空気が漂い始める。
「当時は直営の現場や顧客のニーズに対応する仕事で、やりがいもありました。しかし、35歳のときに出世を打診され、調査部に転属されたのが間違いでした」
現場の相談役として、部下や下請けに慕われるハブ的な管理職。新しい部署は、そんな中谷さんの理想とはかけ離れていた。
「現場や下請けのあら探しという、真逆の仕事でした。年収は1000万円近くになりましたが、どんどん嫌な人間になっていく気がして……。普通の人付き合いでも、猜疑的な目を向けてしまう。4年たった頃、うつ病を患いました」
もとの部署に戻り、だましだまし仕事を続けたが、結局1年前に休職することに。
「休職中でも年収400万円ほど支給されるのは、さすが大手ですね。ですが、今年いっぱいで復帰できなければ辞めるしかない。うつ病で再就職は難しく、まだ学生の子供が3人いますから、何としても治さないと。今、月に1回クリニックに通って、通勤訓練を始めたところです」
「勝ち組」からの転落、その原因を中谷さんはこう振り返る。
「年収が上がるということは、それだけ責任やプレッシャーが大きくなるということ。それがわかっていながら、会社の出世レースに流されて、見えを張ってしまったんです。自分に合った仕事でほどほどの年収に満足していれば、こんなことには……」
後悔と復職への焦りに苛まれる中谷さんが、無事職場復帰できることを願うばかりだ。
取材・文/週刊SPA!編集部
キャリアコースも仕事内容の激変でうつ病、休職へ
結局1年前に休職することに…
勝ち組から転落の原因
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