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空腹時の“炭水化物ドカ食い”は幸せだけど…話題の「血糖値スパイク」がもたらす“怖いリスク”<医師監修>

「自分は大丈夫」と思わず、迷ったら病院へ

自覚症状がなく、いつの間にか進行してしまう血糖値スパイク。食生活やライフスタイルを改善しないと、糖尿病だけでなく、動脈硬化・心筋梗塞・癌・認知症の危険性などもあることが、研究により明らかになってきた。 いち早く血糖値スパイクに気付き、なおかつ予防するためにはどんな方法をとるべきか? 泰江氏は以下の様に語ってくれた。 「まずは診療を受けること。食後に眠気・だるさといった症状に襲われたとしても、もしかしたら違う病気かもしれないので、自分で判断しないでください」 血糖値スパイクの診療では主に、糖負荷検査という手法がとられる。糖を摂取した時の血糖値の上昇具合を調べる方法で、食後30分・60分・90分・120分に分けて正確な血糖値の推移を測ることができる。通常の健康診断では食前の血糖値しか測られていないケースが多いため、“自分は大丈夫”と過信しないことが大事だ。 また泰江氏が指摘したとおり、血糖値スパイクは、食事・運動・睡眠を改善することで予防にも繋がる。食事であれば、PFC(タンパク質・脂質・炭水化物)バランスを考えた食事をとり、朝ごはんはしっかり食べる。早食い・ドカ食いをやめて、野菜からゆっくりと食べることで、血糖値の上昇を緩やかに保つことができる(目安は15分間食べること)。 運動も、強度である必要はなく、食後のランチに数10分程度身体を動かすだけでも効果は見込める。“食後30分は運動してはいけない”とよく言われるが、散歩などの強度であれば食事直後でも問題ない。

どーーしても、ドカ食いしたくなったら?

ただ飽食のこの時代、近くのコンビニで炭水化物以外を探すことの方が困難なくらい、誰でも手軽に血糖値を上げられる手段が揃っている。筆者もだが、ストレス解消のためにドカ食いを止められない人もいるはずだ。最後に、ドカ食いが許されるケースは何があるかを尋ねてみた。 「大前提として強調しますが、健康面でドカ食いは推奨しません。ただ、普段の食事に気を付け、定期的な運動を行ったうえで、2週間〜1か月に1回の贅沢としてドカ食いをするくらいであれば、ギリギリ許容できる範囲だと思います。運動も“前の日に2時間走ったから大丈夫”ではなく、日ごろの習慣に取り入れることが重要。筋肉から出る活性物質は血糖値の上昇を抑える効果もあるので、まずは生活習慣を見直すことから始めてください」 頻繁なドカ食いによる代償は大きい。誘惑に負けそうになっても、長期的な健康を考えて適度な節制を心がけたいところだ。 <取材・文/FM中西>
広告・ゲーム・出版を経て、現在はフリーの編集・ライターに。アニメ/ゲーム/アングラ等、ポップorサブカルチャーを浴びていたい。最近の目標は早起きと減量。友人とともに『ぽぷかる研究所』を細々と運営中
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