意外と多い“洗濯が苦手”な人「畳めない、洗剤が測れない…」専門家に改善策を聞く
ここ最近、SNSを中心に話題となった“風呂キャンセル界隈”をご存じだろうか。お風呂に入るのが面倒といった理由で入浴しない人々を指す新たなネットスラングだ。真夏のこの時期、部屋でエアコンをかけたまま過ごすだけであれば大きな支障はないかもしれないが、放っておけば日常生活に支障をきたす恐れもあるだろう。
さて、世の中にはまだまだ知られざる“キャンセル界隈”が存在する。例えば、“洗濯キャンセル界隈”。文字通り、洗濯を面倒に思う人が一定数いるわけだ。
なぜ彼らは服を洗わずに生活しているのか。どのような工程を経て洗濯が億劫になってしまうのか。その精神的なメカニズムを、YouTubeで風呂キャンセル界隈についての解説動画も公開している府中こころ診療所院長・春日 雄一郎院長に解説してもらった。
春日院長曰く、大前提として “洗濯を後回しにしてしまう”こと自体は「洗濯をする」ことの優先順位が低いだけなので、特に問題はないらしい。そんなか、頑なに洗濯を行わない、もしくはできない人はどんなパターンなのだろうか。
「ひとつは“洗濯の工数が多すぎてやりたくない”ケースがあります。ただ、これらは単に面倒くさがりだったり、まとめて洗濯するから大丈夫、というパターンが多いのでさほど問題はありません。ただ心配なのが“思考力が低下し、当たり前のことができなくなる”ケース。つまり、うつ病が原因になっている場合です」
人間が何かを後回しにする理由は、“工程が多い”ことが挙げられる。お風呂であれば、お湯を沸かす→服を脱ぐ→タオルを用意するなど、入浴前にも多くの工程が発生し、洗濯も同じく、カゴに入れる→洗剤のメモリを測る→洗濯機のモードを選ぶなどの工程がある。意外にもこの所作に対して人間は脳のリソースをかなり使っているそうで、これがうつ病状態になると、脳が考えることを拒否してしまい、結果的にやるべきことができなくなってしまう。
“キャンセル界隈”というキャッチーな言葉として流行しているが、場合によっては深い精神的な問題に起因することがあるそうだ。
先述のように、キャンセル界隈の一部には、精神的な側面が理由になっている人も存在する。最近話題になった言葉ではあるものの、春日院長の元には、お風呂・洗濯をはじめ、“普通の人”が当たり前にできることができない……このような相談は昔からあったそうだ。
そもそも人間が“洗濯する”ことは、臭うから、汚いから、そして、人から不潔だと思われたくないから……などが主な理由だ。そのためいくら面倒だったとしても最終的に洗濯をするが、うつ病状態になると他者との交流も少なくなり、その優先度も大きく下がってしまう。
「うつ病は判断力・意欲が全体的に落ちて怠さが増すなど、脳と身体にさまざまな不調をきたします。進行すれば、段取りを決める思考力は低下し、体を動かすことが億劫な倦怠感を伴い、やがて身なりや他者への興味も減退することになります。少しでも『おかしいな?』と思ったら、近くの精神科を受診することをお勧めします」
単に面倒ならまだマシ…精神的不調の可能性も
キャンセル界隈は、ずっと前から存在していた
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広告・ゲーム・出版を経て、現在はフリーの編集・ライターに。アニメ/ゲーム/アングラ等、ポップorサブカルチャーを浴びていたい。最近の目標は早起きと減量。友人とともに『ぽぷかる研究所』を細々と運営中
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